TL昇格へ 12日公式戦開幕、釜石SW 初戦はヤクルトと〜チーム力アップ 膨らむ期待
12日の開幕戦に向けて調整する釜石SW=5日、釜石市球技場
社会人ラグビー地域リーグ、トップイーストリーグ・ディビジョン1は12日に開幕。釜石シーウェイブス(SW)RFC(昨季2位)は、昨季あと1勝まで迫った悲願のトップリーグ(TL)昇格を目指し、ホームグラウンドの釜石市球技場でヤクルト(昨季7位)を迎え撃つ。例年より始動が遅れ、春先はチーム状態も良くなかったが、けが人が復帰するとともにチーム力もアップ。2年目の指揮を執る三浦健博ヘッドコーチ(HC)は「若手が成長し、昇格を狙える力はついてきた。まずはヤクルト戦から、いい形でスタートしたい」と意気込む。
5月のIBC杯で慶大に敗れ、6月の北上招待ではサニックス(トップキュウシュウ)にも完敗。7月に東京で行ったサマーキャンプでは、同リーグの日野自動車、学生チャンピオンの帝京大にも敗れた。
しかし、8月の秋田ノーザンブレッツ戦では、南アフリカから加入した新戦力フランカー、ワーウィック・テクレンバーグ(28)が4トライを奪うなど大活躍で圧勝。けがで戦列を離れていた新戦力、元日本代表のフッカー松原裕司(36)、ロック北川勇次(29)らが復帰した東芝との練習試合では、「強力FWに差し込まれることもなく、ターンオーバーまで持っていけるようになった」と三浦HCは進化を認める。
TL昇格まであと1勝と迫った昨季はディフェンス面の強化で成果は残したものの、チャレンジシリーズのホンダ戦ではフィジカル面で劣勢に立たされ完敗。クボタとの入れ替え戦でも力負けし課題を残した。
今年のSWのテーマは「昨年の成績を超え、新しい歴史をつくろう」。シーズン序盤はあえてチームを壊し、新しいシステムづくりに挑んだ。けが人が出ることを覚悟しつつ、フィジカルの強化にも力を入れた。そうした改革の成果が、やっと実りつつある。
トップリーグ昇格へ乾杯で決意を新たにする釜石SWの選手ら
今季は外国人選手を含む新戦力13人を補強。若手の成長も加わり、選手層はぐんと厚くなった。けが人が復帰しメンバーがそろったことで、15対15の試合形式で練習できるようになったことも大きいという。
公式戦開幕を目前にした仕上がり状況を三浦HCは「ディフェンスは70~80%ぐらい」と高く評価しながらも、「アタックはまだ60%ぐらいか。FWが獲得したボールをバックスがどう前に運ぶか」と課題も残す。「ターンオーバーを狙い、シンプルに前へ、前へ。ディフェンスもアタックも、ひたむきに」と開幕戦へのゲームプランを描く。
ゼネラルマネジャー(GM)を兼ねる桜庭吉彦ディビジョンマネジャー(DM)は「チーム全体がレベルアップし、層が厚くなった」と認める一方で、「昨季は試合によって波があった」と指摘。「どの試合でもブレの少ない結果を残したい」と選手が力を十分に発揮できる環境整備に力を入れる。
「入れ替え戦で勝てるチームづくりへ、さらに強化を図りたい」と桜庭DM。最終目標はTL昇格だが、三浦HCとともに「先を見ることなく、1試合ごとにベストを尽くし成長することが大事」と口をそろえる。
開幕のヤクルト戦は12日午後2時キックオフ。入場は無料。
■釜石シーウェイブス トップイーストリーグ試合日程
1. 9月12日(土)ヤクルト(釜石市球技場/午後2時)
2. 9月20日(日)セコム(埼玉県・熊谷ラグビー場/正午)
3. 9月27日(日)日本IBM(釜石市球技場/正午)
4. 10月10日(土)秋田ノーザンブレッツ(秋田市・あきぎんスタジアム/午後1時)
5. 10月24日(土)横河武蔵野(北上総合運動公園/午後1時)
6. 10月31日(土)日野自動車(東京・秩父宮ラグビー場/午後2時)
7. 11月14日(土)東京ガス(盛岡南公園球技場/午後1時)
8. 11月28日(土)栗田工業(神奈川県・相模原ギオンスタジアム/正午)
9. 12月5日(土)三菱重工相模原(東京・秩父宮ラグビー場/午後2時)
(復興釜石新聞 2015年9月9日発行 第417号より)
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