防潮堤をアートで彩る、「曳き船」モチーフに〜コロナ下に元気を発信
釜石らしさがぎゅっと詰まった「防潮堤アート」
防潮堤に釜石のシンボルアートが出現!!。パブリックアートでまちのにぎわい創出を図る市民グループ「ゼロスポット」(小笠原梓代表、11人)は22、23の両日、釜石市の魚河岸テラス付近の防潮堤に飾る絵を一般参加者と制作、掲示した。メンバーの中学生が発案し、実現させた“防潮堤アート”。来年1月末まで掲示予定で、訪れる人たちに釜石の元気を発信する。
同グループは昨年度の第6期「釜石○○(まるまる)会議」で誕生。市内の建造物をアートで彩る「マチナカラフル」プロジェクトを展開し、芸術によるまちづくりに新たな風をもたらしている。
今回の取り組みは、グループ結成の中心メンバー川崎祐奈さん(釜石東中3年)、山﨑成美さん(同)が発足当初から温めていた企画。「釜石自慢の海の近くにインスタ映えするカラフルな絵があれば、人を呼び込むことにつながるのでは」と、防潮堤を飾るアート作品の制作を提案した。
絵のモチーフは釜石まつりの呼び物の一つ「曳き船まつり」にヒントを得た、大漁旗をなびかせて進む船。旗には釜石大観音や橋野鉄鉱山、ラグビーボールなど釜石のシンボルのほか、新型コロナウイルスの早期収束を願うアマビエや「疫病退散」の文字をデザイン。絵が得意な川崎さんと小笠原代表が下絵を作成し、縦3・6メートル、横5・4メートルの防水シートに拡大して描いた。
連休を利用した制作イベントは同テラス玄関付近の屋外スペースで行われ、最終段階となる色塗り作業を実施。テープでマスキングした区画に、手袋をはめた手でテント用塗料を施すもので、親子連れなどが楽しんだ。
防水シートに描かれた絵に色を塗る参加者=22日
絵を描くのが大好きという山根來桃(くう)さん(甲子小3年)は「手で色を塗るのは初めて。どんな絵になるのか楽しみ」と熱心に作業。姉妹で参加した藤原彩華さん(鵜住居小5年)は「これで釜石がいい雰囲気になるなら、どんどんお手伝いしたい」と率先して取り組んだ。
2日間で約100人が協力し、完成させた絵は23日午後、防潮堤に取り付けられた。山﨑さんは「自分たちのアイデアが形になり、地域に貢献できるのはうれしい。他の場所でも実現していけたら」、川崎さんは「コロナ下で大変な思いをしている人たちも笑顔になってくれたらいいな。釜石の子どもたちが将来の夢の実現に希望を持つきっかけにもなれば」と期待した。
小笠原代表(35)は「色どりもきれいで予想以上の出来栄え。みんなで力を合わせて作れたのも良かった。これからも中学生らの挑戦を応援していきたい」と話した。
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