美術年鑑を市立図書館に寄贈〜洋画家 桑畑さん「絵画に関心を」
桑畑さんは自作が収録された美術年鑑を市立図書館に寄贈。その8冊が一挙に公開された
釜石市新町の洋画家桑畑和生さん(69)が釜石市立図書館(高橋悦子館長)に美術年鑑8冊を寄贈し、18日まで小佐野町の同図書館で開かれた「3つの秋 よくばり図書展」の特設コーナーで公開された。桑畑さんは「私の作品も収録されているが、国内の現代作品が凝縮されている。絵画に関心がある多くの人に楽しんでほしい」と願う。
桑畑さんは釜石北高時代から本格的に油彩の制作に取り組む。東京のデザイン専門学校を経て埼玉県の広告デザイン会社に勤務。1975年に釜石にUターンして就職し、仕事を続けながら創作活動に取り組んだ。96年に日本美術家連盟会員となり、98年に東京・新宿の伊勢丹デパート本店で個展を開くなど、個展はこれまで28回を数える。昨年夏には盛岡市の老舗デパート、カワトクで初の個展を実現した。
作風は優しく、おぼろげな線や色彩で風景を描き、時間を超える透明感が醸し出す「いやしの世界」が多くのファンに支持され、大手電力会社のカレンダーにも採用された。
美術年鑑は98年以降に発行され、桑畑さんの作品も収録される。今年夏に7冊を図書館に寄贈し、以前の1冊と合わせて8冊が書架に並ぶ。「禁帯出」図書で貸し出しはできないが、館内なら自由に閲覧できる。
桑畑さんは、年間300日ほどは絵筆をとるという。作風はこれまでと変わらないが、「手がけている作品が一段落したら、名山ではない山並みを描いてみたい」と新境地への思いを膨らませる。
今回の図書展は秋にちなみ、「芸術、スポーツ、食欲」を題材にした蔵書203冊を紹介した。
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