秋の味覚「甲子柿」試食〜県内外シェフ、食のキャラバンで釜石に


2020/11/04
復興釜石新聞アーカイブ #地域

甲子柿の生産過程を見学した「食のキャラバン」一行

甲子柿の生産過程を見学した「食のキャラバン」一行

 

 県内外のシェフらによる「三陸と世界をつなぐ『食』のキャラバン」の一行が23日、釜石市の特産品・甲子柿の生産現場を見学した。収穫した渋柿が甘い甲子柿として店頭に並ぶまでの過程に興味を示し、地域ならではの食文化に理解を深めた。

 

 一行は、「オトワレストラン」(栃木県・フレンチ)の音羽和紀さんや「ロレオール田野畑」(田野畑村・同)の伊藤勝康さんらシェフ10人を含む関係者約30人。甲子町大畑の農家佐々木裕一さん(69)の柿畑を訪れ、歴史や生産方法など説明を受けた。

 

 甲子柿は小ぶりな渋柿の一種の小枝柿をいぶして渋みを抜くのが特徴。トマトのような紅色となり、ゼリーのような柔らかい食感と濃厚な甘みが味わえる。

 

 この日は雨模様で、湿度の変化が温度管理に影響するため、柿をいぶす柿室(かきむろ)の見学は取り止めた。シェフらは出来上がったばかりの甲子柿を試食し、「うまい」と感想。いぶす日数やまきの材料など熱心に質問した。

 

 音羽さんは甲子柿の食感に関心を示し、「食材としての可能性がある。産地をめぐり、人に触れ、風土から生み出されたものを料理として描く楽しさが広がる」と思いを巡らせている様子。伊藤さんは「県産品の良さを県外の人に知ってもらう機会に」と期待した。

 

 キャラバンはガストロノミー(美食術・食文化)の視点から岩手・三陸の魅力、豊かな食材や食文化を発信する「三陸国際ガストロノミー会議2020」の関連事業。会議は昨年に続き2回目で、26日から2日間大船渡市で開かれた。

 

 会議を前に行われたキャラバンはシェフらが三陸各地の生産者らと食を通じ交流するのが目的。23、24の両日で宮古、大槌、釜石、住田、大船渡、陸前高田の6市町、漁場や産地など13カ所を訪れた。釜石では橋野町の産直施設・橋野どんぐり広場や甲子町の道の駅・かまいし仙人峠にも立ち寄った。

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