自然を五感で感じながら、いわて環境塾 釜石を会場に〜森林・海洋資源の役割を理解、鵜住居スタジアムも見学
復興スタジアムの説明を受ける受講者
7月に開講した「いわて環境塾2020」(県主催)の第3回講座が19日、釜石市を会場に開かれた。県内各地と宮城県仙台市から50人が受講。釜石市内から5人が講師を務め、同市が誇る森林、海洋資源や持続可能な観光について講義した。
同塾は環境保全に関する知識を習得してもらい、地域で活躍できる人材を育てようと2018年度から開設。本年度は県内5市町で全6回の講座が組まれており、うち2回(葛巻町、釜石市)は屋外開催。山や海など自然を五感で感じながら環境学習を進めるスタイルを取り入れている。
19日は釜石鵜住居復興スタジアムと釜石魚市場岸壁が会場。釜石地方森林組合の高橋幸男参事、同組合に派遣されている釜石リージョナルコーディネーター(釜援隊)手塚さや香さん、かまいしDMCコーディネーター久保竜太さん、尾崎白浜の漁師(第三漁裕丸船長)佐々木洋裕さん、尾崎100年学舎代表の久保晨也さんが講師を務めた。
スタジアムのスタンドで講義した高橋参事は、国内外の林業の現状や森林の役割、同組合の東日本大震災からの復興の歩みなどを紹介。受講者が座る客席(シート)や諸室、トイレなどに市内の大規模林野火災の被災木が使われていることも説明した。
国連のSDGs(持続可能な開発目標)に向けた組合の取り組みも示し、「森林業には環境、社会、経済性を考えたデザイン力が必要。地域に合った森林経営ができれば、まち全体の豊かさ、防災力強化にもつながる」と話した。
受講者は昼休憩の時間にスタジアム内を見学。自然と調和し、世界的評価を受ける施設に理解を深めた。
同塾の事業を受託する地域商社、サンサンスターラボ(葛巻町)の髙野嘉明代表取締役は「受講者の6、7割は20~30代。若者の環境問題やSDGsへの興味がうかがえる。学びを深め、環境のために自分ができることを考えていってほしい」と期待した。
第4回講座は10月10日に一関市で開かれ、SDGsについて学ぶワークショップが行われる予定。
復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)
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