復興「ありがとう」ホストタウン、東京五輪を機に友好促進〜釜石と豪州中学生交流、メッセージ動画やりとり
オーストラリアへのメッセージ動画を撮影する釜石市内の中学生ら
東京五輪・パラリンピックを機に国際交流を進めようと、釜石市と「復興『ありがとう』ホストタウン」相手国のオーストラリアの中学生がメッセージ動画をやりとりする取り組みを始めた。3日に市内の中学生が活動を開始し、同国から届いたビデオメッセージへの返信動画を撮影した。今後、2週に1回ペースで動画を送り合って交流。互いの国に理解を深めながら心を通わせる。
この取り組みは、オーストラリアオリンピック委員会が企画する。来年の大会に合わせて本格実施される教育交流プログラム「ともだち2020」の試行版。8月にスタートし、日本の7自治体で展開されていて、両国から各約20校が参加する。
釜石は同ホストタウン事業の一環として参画する。市内5中学校から2、3年生8人が参加。東海市と合同で実施する海外体験学習事業の参加者で、3月に豪州に派遣予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止になっていた。
相手校は南オーストラリア州にあるパラヒルズ高校。中学3年生に相当する8人が参加する。
この日は大町の青葉ビルに6人が集まった。パラヒルズ高で日本語を学ぶ生徒が送った自己紹介動画を視聴。家族構成や好きな食べ物、「日本語の勉強、楽しい。けど、難しい」「宿題、大嫌い」といったメッセージから同年代の生活の様子を感じ取った。
その後、釜石から届ける動画を撮影。英語と日本語の2カ国語で自己紹介した。甲子中2年の佐々凱音(かいと)君は「友達をたくさん作りたい。話しかけてくれるとうれしい」とアピール。ラグビーやスポーツの話を楽しみ、英語力も上げたいと、わくわく感をにじませた。
釜石中2年の佐々有寿(ありす)さんは「現地で直接交流したかったが、つながる機会をもらった。オーストラリアの文化を知りたいし、釜石のことも伝えたい」と、次に届く動画を楽しみにしている。
釜石の8人は10月末まで活動。豪州から届く動画を見て興味を持ったこと、共通点や相違点を探りながら動画を撮って送る。
釜石市は2017年11月に同ホストタウン相手国として豪州を登録し、青少年交流などを推進してきた。市国際交流課の中村達也課長は「交流の形は変わったが楽しく活動し、結び付きを強めてほしい。宝物を得る機会になれば」と見守る。
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