海を満喫ワンデイキャンプ〜子どもらに夏の思い出、コロナ下だからこその喜び
海での遊びは幾通りも!参加者は夏の海辺で最高の一日を楽しんだ
釜石の海の魅力をまるごと体験できる「海あそびワンデイキャンプ」が9日、釜石市箱崎町白浜の通称“小白浜”ビーチで行われた。市内の海に関わる団体や地元漁師らでつくる「海と子どもの未来プロジェクト実行委員会(さんりくBLUE ADVENTURE)」が主催。7年目の今年は新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じ、楽しみにしていた子どもたちに、かけがえのないひと夏の思い出を提供した。
県内での感染者確認を考慮し、参加者を釜石市内在住者に限定。同居家族を含め、過去2週間に感染の可能性がある滞在や接触がないことを確認し、小学生と保護者同伴の幼児ら56人を受け入れた。
白浜漁港でウエットスーツとライフジャケットを身に着け、地元漁師の船で隠れ家的ビーチ「小白浜」に上陸。スタッフから簡易トイレの使用方法、シュノーケリング用具に名前を付け1日同じものを使うことなどコロナ対策の説明を受け、さまざまな海遊びを楽しんだ。
シーカヤック、スタンドアップパドルボード(SUP)、レスキューボードは今年も大人気。インストラクターから操作方法を教えてもらい、海上に繰り出した。シュノーケリングチームは岩場で生き物探し。ウミウシやナマコ、ヤドカリ、小魚などを見つけ観察した。幼児は波打ち際で水しぶきを上げてはしゃいだ。
中妻町の藤井結衣ちゃん(3)は、父悠さん(37)のお腹に乗って水に浮かぶ“ラッコさん遊び”がお気に入り。母茉依さん(33)は「先月参加した根浜あおぞらビーチパークでも大喜びで、だんだん水も怖がらなくなってきた。年の近い子とも一緒に遊び、すごく楽しそう」と目を細めた。悠さんの転勤で釜石に来て5年目。「釜石の良さをまた一つ発見できた。自然に癒やされ、心を開放して遊ぶ経験はこれからの糧になる」と実感を込めた。
御箱崎半島に位置するこの浜辺は、リアス海岸特有の入り海の穏やかさ、白砂と背後に迫る山の緑が生み出す絶景が大きな魅力。津波など有事の際にはハイキング路を登り、高台避難も可能。キャンプでは、海上で救助を待つ場合の浮き身姿勢を学ぶ「浮いて待て」講習も行い、自助防災力も高める。
今夏は震災で被災した根浜海岸の砂浜再生工事の完了で、本格的な海開きが期待されていたが、新型コロナの影響で中止。遠出旅行もままならない今、少しでも子どもたちに自然体験の場をつくってあげたいと、実行委は例年通りのキャンプ実施を決めた。運営メンバーは、5月から開設される感染症対策を施した遊び場「根浜あおぞらパーク」のスタッフとしても関わっており、その実績も開催を後押しした。
同実行委共同代表の柏﨑未来さん(35)は「こういう時だからこそ、地元の自然を地元の人に体験してもらいたい。できる限りの対策をして安全安心に配慮した。専門家の指導を仰ぎながらやってきたあおぞらパークのノウハウを今後も生かせれば」と話した。
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