お盆を前に震災犠牲者供養〜野田市長ら市幹部職員、追悼施設や納骨堂で


2020/08/13
復興釜石新聞アーカイブ #地域

釜石祈りのパークで白菊を手に黙とうする市幹部職員

釜石祈りのパークで白菊を手に黙とうする市幹部職員

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大傾向が続く中、間もなくお盆の行事が始まる。先祖を迎え供養する8月、太平洋戦争末期に艦砲射撃を受けた釜石市では戦争犠牲者に鎮魂の祈りをささげる時期でもある。しかし、今年は感染症の影響で市戦没者追悼式が中止。それでも市は、追悼式とともに行ってきた東日本大震災犠牲者の供養は続け、7日に野田武則市長、市幹部職員ら約30人が市内の追悼施設や納骨堂で献花、焼香し犠牲者を悼んだ。

 

 市は毎年8月9日に戦没者の慰霊と平和への願いを込め追悼式を行ってきた。合わせて市職員らによる震災犠牲者の供養を継続。今年は追悼式が中止になったことから、実施日を変更して震災犠牲者を慰霊することとした。

 

 鵜住居町の追悼施設「釜石祈りのパーク」では、野田市長ら参列者が犠牲者の芳名版を前に黙とう。白菊を手向け、冥福を祈った。

 

 身元不明遺骨を安置する大平町の大震災物故者納骨堂では、釜石仏教会(大萱生修明会長、14カ寺)による法要が営まれた。現在、全身遺骨5柱、部分骨4柱を安置。僧侶5人が読経し、参列者が焼香、手を合わせた。

 

大震災物故者納骨堂では身元不明遺骨の悲しみを思い供養した

大震災物故者納骨堂では身元不明遺骨の悲しみを思い供養した

 

 導師を務めた大只越町の仙寿院、芝﨑惠應住職は「お盆のひととき、亡くなった方のために心を向けてほしい」と呼び掛けた。

 

(復興釜石新聞 2020年8月8日発行 第898号より)

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