釜石野球団 三陸沿岸野球大会初代王者に、都市対抗野球出場目指す〜最高殊勲選手に菊池健太郎主将
硬式野球の新規大会で初代チャンピオンとなった釜石野球団
硬式の一般野球、第1回JABA三陸沿岸野球大会(JABA県野球連盟、毎日新聞盛岡支局主催)は4、5の両日、宮古市で開かれ、釜石野球団(佐藤貴之監督)が初代優勝チームに輝いた。最高殊勲選手には準決勝で捕手、決勝では投手で活躍した菊池健太郎主将(21)が選ばれた。釜石野球団は今月23日から一関市などで開かれる第91回都市対抗野球県大会(1次予選)で、東北予選に進む3枠入りを目指す。
▽決勝
釜石野球団
110011003 7
000000200 2
住田硬式野球クラブ
(釜)菊池健―菅原昌 (住)黄川田―大谷 ▽二塁打=菅原昌也、田中和矢、菊池昭博(釜)、鈴木、吉田康(住)
同大会は旧大会を衣替えした新規の公式大会。釜石のほか久慈クラブ、宮古倶楽部、赤崎野球クラブ、住田硬式野球クラブの5チームがトーナメント戦を展開した。釜石は1回戦で久慈に16―13と乱打戦を制し、準決勝は宮古に3―1で勝った。
決勝の相手は、赤崎を10―8で下した住田。先攻の釜石は捕手菅原昌也の二塁打で先制、二回も1点を加えた。五、六回と1点ずつを挙げて押し気味の展開。七回、住田に2点を許し2点差に迫られたが、最終九回は打線がつながり、一挙3点を入れて大勢を決めた。菊池主将は「自分はムードメーカー。野球が好きで、明るいメンバーは勢いに乗っていいプレーを続けた」と評価する。
今大会が初披露となる真紅の新しいユニホームでの栄冠だった。「米大リーグ・エンジェルスの大谷翔平選手を意識した。背ネームも、みんな気に入った」と菊池主将。
釜石市の一般硬式野球は1970年代半ばまで釜石信金クラブ、新日鉄釜石、オール釜石、釜石エーワンなどが活躍したが、解散、休止が続いた。クラブ野球の釜石野球団が硬式野球の継続を熱望する若手の受け皿となった。
チームは釜石市体育協会の小泉嘉明会長を部長に、コーチ、マネジャー兼任など24人。選手の年齢は19~50代で、大半は市内の中学校出身だが、大槌町、山田町や県外出身者もおり、チームに新風を注入する。
運営はメンバーの会費に頼り、苦労は絶えない。監督の佐藤貴之さん(51)=釜石市役所=は「昨年秋の台風19号豪雨で平田公園野球場が使えなくなったが、遠野市の遠野クラブと練習させてもらい、ありがたかった。チームの存続、活躍は選手の熱意による。少年の育成にも強い意欲を持っている」と語る。
(復興釜石新聞 2020年7月18日発行 第895号より)
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