人命救助、海保業務協力に感謝状〜海中転落の男性漁業者救う、釣り仲間ら3人お手柄


2020/07/14
復興釜石新聞アーカイブ #地域

人命救助の功労者とイオンタウン釜石の代表(右端)

人命救助の功労者とイオンタウン釜石の代表(右端)

 

 釜石海上保安部(松吉慎一郎部長)は6月26日、海中転落した高齢漁業者を連携して救助した男性3人に感謝状を贈った。海上保安業務の周知活動に会場を提供するなど協力を続けるイオンタウン営業本部東北事業部「イオンタウン釜石」(森信義マネジャー)にも感謝状を贈った。

 

 海難救助功労で感謝状を受けたのは、釜石市唐丹町の漁業千葉雅之さん(64)、北上市の会社員佐藤広人さん(38)、花巻市の会社員梅田裕矢さん(43)。

 

 事故は3月29日午前3時ごろ、唐丹町の唐丹漁港で発生した。80代の漁業者がワカメ漁の手伝いをしようと準備中、誤って海中に転落。自力ではい上がることができなくなった。

 

 4時半ごろ、釣りをしていた佐藤さんが救助を求める漁業者の声を聞きつけ、漁港にいた千葉さんも異変に気付いた。佐藤さんの仲間の梅田さんも加わり、車のライトを点灯。漁業者がすがる漁船に乗り移った。佐藤さんは「最初は千葉さんと2人でやったが難しかった。梅田さんと3人がかりで引き揚げることができた」と振り返った。

 

 佐藤さんが要請した救急車に収容された漁業者は市内の病院で治療を受け、順調に回復した。

 

 釜石海保によると、当時は気温3度、水温8度。約1時間半、胸から下が海中にあった漁業者の体温は30度まで低下していた。松吉部長は「漁業者は体力の限界にきていたと考える。命の危険があった」と3人の救命活動をたたえた。

 

(復興釜石新聞 2020年7月4日発行 第893号より)

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