伝統の味を次世代へ、釜石小児童がみそづくり体験〜発酵食品の免疫力に注目
小山さん(右から3人目)のサポートを受けながらみそづくりに取り組む釜石小児童
釜石市大渡町のみそ、しょうゆ製造販売業、藤勇醸造のみそづくり教室が5月28日、釜石小(及川靖浩校長、児童117人)で開かれ、4年生の児童15人が煮た大豆をつぶすなど作業に取り組んだ。
同社専務で「みそソムリエ」の小山和宏さん(55)が講師を務めた。児童は、みその始まりや種類、発酵について学んだあと、県産の大豆を使って米みそづくりを体験。ミンチ機で煮豆をつぶし、米こうじや塩などを加えて混ぜ、よくこねて球状の「みそ玉」を作って、たるに入れた。
4年生は今回、地域の産業を学ぶ総合学習の一環でみそづくりに挑戦した。白野真心(まみ)さんは「教室に広がっていた煮た大豆の香りが少しずつ変化するのを感じた。みそになるまでは大変そうだなと思ったけど、楽しくできた」とにっこり。出来上がりへの期待感を聞くと、「絶対おいしい」と、友達と声をそろえた。
同社では食育や発酵食品に興味を持ってもらおうと、4年前から同様の教室を開いている。2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、健康志向と相まって発酵食品への関心が高まっていると小山さん。現在の新型コロナウイルス感染症の影響で、「腸内環境を整える発酵食品が免疫力の維持、向上につながるとされ、注目されている」と加える。
手づくりみそは同社で発酵させ、来年2月ごろに児童の元に届ける予定。小山さんは「伝統の味に慣れ親しんでもらい、世代をつなげていきたい」と思いを話した。
(復興釜石新聞 2020年6月6日発行 第889号より)
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