『五穀甘糀』農林水産大臣賞、ふるさと食品中央コンクール〜「まさかの最高賞」喜ぶ、被災の藤勇醸造 全国の支援を力に
受賞報告した小山専務(右から2人目)。震災の被災を乗り越えつかんだ栄冠を喜んだ
釜石市大渡町のみそ、しょうゆ製造販売業、藤勇醸造(藤井徳之社長)が製造する甘酒「五穀甘糀(あまこうじ)」が、2019年度優良ふるさと食品中央コンクール(一般財団法人食品産業センター主催)の国産農林産品利用部門で最高賞の農林水産大臣表彰に輝いた。同社の小山和宏専務(55)が3月27日、野田武則市長を訪ね、受賞を報告。「思いがけず、まさかの最高賞」と喜びを語った。
同コンクールは、地域で生産される農林水産物の加工利用や、食品の品質向上に取り組んでいる優良事例を毎年表彰。今回は4部門に、全国から25点が出品された。
五穀甘糀は、同社の米こうじに県産ひとめぼれと5種類の雑穀(赤米、大麦、たかきび、あわ、ひえ)をブレンド。砂糖やアルコールを使わず、すっきりとした自然の甘みを引き出した。あえて米や雑穀の粒を残し、食感を楽しめるのも特徴となっている。
県産の米と雑穀100%で造った豊かな味わいが評価され、農林産物の製造・加工を通じて地域活性化に寄与したとして同部門のトップに輝いた。表彰式は3月4日に東京都で行う予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となった。
本県の食品が大臣賞を受賞するのは3例目。15年度に川喜(定内町)が製造する「いわて南部地粉(じごな)そば」が選ばれている。
藤勇醸造は東日本大震災で被災したが、全国から寄せられた応援や支援を力に事業を継続。自社製品の糀みそを使った加工品や菓子の開発も積極的に進めている。
小山専務は「地場にお世話になって事業を続けられている。商品を通じて恩返しをしたい。地域の素材を使い、知ってもらえる、ものづくりを続けていく」と、発酵食ブームを追い風に意欲を高めている。
野田市長は「釜石の特産にしたい。生産体制を整え、どんどん売り出してほしい」と期待した。
五穀甘糀は、160ミリリットル入り1本230円(税込み)。市内では道の駅釜石仙人峠、かまいし特産店(シープラザ釜石内)などで販売。盛岡市のイオンモール盛岡、クロステラス盛岡、イオンスーパーセンター盛岡渋民店でも購入できる。問い合わせは、藤勇醸造(電話0193・22・4177)へ。
(復興釜石新聞 2020年4月1日発行 第880号より)
藤勇醸造株式会社
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