釜石市も小中休校、新型ウィルス感染拡大防止〜突然の長い「春休み」に、“緊急事態”学校現場混乱
新型コロナウイルスの感染拡大に対応した文部科学省の通知を受け、釜石市は3日から市内の小中学校を臨時休校とした。新年度が始まる4月初めまでの措置で、児童生徒は想定外の長い「春休み」に入る。修了式や教職員の離任式も中止する。市内の小中各校には2日、児童・生徒が本年度最後の登校。教職員は、唐突に訪れた〝緊急事態〟へ、対応に追われた。休業対象は市内の子育て支援センターを含み、学童クラブや幼稚園、児童館などは通常通り開く。
新町の双葉小(千葉伸一校長、児童185人)では2日、休校中の生活指導が行われた。市教委の通知に応じ、▽18日に学年ごとの修了行事を実施▽不要不急の外出を控える―などが伝えられた。
6年生48人は19日に卒業式を迎える。式の参加者は卒業生、保護者、教職員のみ。内容を簡略化し、時間も短縮。ただ、6年生が練習を重ねた「式歌」は披露する予定だ。
6年1組の人首颯眞君は「感染経路や防ぐ方法も分からないウイルスだから、しょうがない。もっとみんなと楽しみたかった。休み中は復習に集中する。みんなと一緒に外出したり、遊べない。空手のスポ少も4月5日まで休みになり、ピアノ教室もどうなるか」と長い休みに不安をのぞかせた。
千葉校長は「すでに転出が決まった中学進学者もあり、学業の進度は中学校に申し送りする。保護者から、仕事との関係で相談もある。学区内には学童クラブ(校舎に併設)と上中島児童館があり、助かる。教職員は出勤し、児童と保護者の相談や連絡、必要なら家庭訪問で対応するが(感染拡大の可能性があり)見通しが立たないところもある」と語った。
最後の給食を味わいブラッシング、そして休校へ=双葉小
釜石中(川崎一弘校長、304人)も2日、ホームルームで家庭生活について指導が行われた。修了式は行わず、15日に生徒が時差登校して通知票を受け取るという。部活動や生徒会活動は禁止する。
3年生(99人)の公立高校受験は6日。前日まで、志望校などグループごとに時差登校し、受験指導を受ける。15日に卒業式を行うが、出席者は絞り込み、来賓や在校生は入場しない。
生徒には「生活のきまり」を示し、外出を控え、友人間の訪問も止める。SNSの利用に注意することなども求めた。健康指導では感染防止、免疫力の維持、万一のり患や感染懸念の対処法などを盛り込んだ。
市内の中学校4校は新年度早々に予定する修学旅行を中止(または延期)したが、釜石中は秋に計画しており、おおむね実施の予定だ。
新入学生と保護者の説明会は2月初旬に終え、受け入れに問題はない。入学式は4月6日に予定する。
(復興釜石新聞 2020年3月4日発行 第872号より)
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