地元就職促進へ合同企業説明会、釜石職安〜働きやすい環境アピール、保護者向けのガイダンス初めて併催
地元企業の担当者から事業内容について説明を聞く高校生ら
「しごと☆みらいスケッチ」をテーマに、来年度卒業予定の高校2年生を対象にした企業説明会(釜石職安など主催)が26日、釜石市民ホールTETTOで開かれた。就職活動を半年後に控え、「この時期に企業の説明を聞くことができるのは大助かり」と高校生ら。今回は初めて保護者向けのガイダンスも併せて開かれ、「進路について子どもと話す手掛かりになる」と好評だった。
説明会には釜石職安管内の釜石(定時制を含む)、釜石商工、大槌、遠野の各高校のほか、気仙沼市の支援学校を合わせて147人が参加。水産食料品製造、機械製造、建設、介護、官公庁など19事業所がブースを構え、事業内容や採用条件などを丁寧に説明した。
合同説明会を前に参加企業の若手社員らがステージに並び、それぞれの事業所をPR。「とてもやりがいのある職場。一緒に働こう」と呼び掛けた。「残業がなく、土日はしっかり休めます」などと働きやすい職場環境をアピールする事業所が多かった。
青紀土木(土木工事業)の青木健一社長(46)は「求人を出してもこの3年ほどは高校生を採用することができず、中途採用できても40歳から50歳代。今のうちに若い人材を確保しないと会社の死活問題になる」と必死で説明に当たった。
説明に耳を傾けた釜石商工電気電子科の金崎大和君(大槌中出身)は「震災の津波で壊れた建物や道路の復旧に当たった土木事業者をかっこいいと感じた。自分も復興のために働きたい」と卒業後の進路を描く。
介護事業所のブースに足を運んだ同総合情報科の松田春香さん(釜石中出身)は「兄が介護の仕事をしていて、興味があった。介護の仕事もいいなと思った」と手応えを話した。
隣接する情報交流センター釜石PITで開かれた保護者向けのガイダンスには10人が参加。盛岡市内の高校で学んでいる子どもに代わって参加したという甲子町の50代の女性は「自己決定を子どもに押しつけてはいけないと思い参加。とても参考になった」と喜んだ。
釜石職安によると、この春卒業する管内高校生の就職内定率は100%。うち55%が地元企業に内定しているが、管内企業は深刻な人手不足に悩んでいるという。
同職安の長野弘元所長は「高校生の進路決定に保護者の力は大きい。地元就職促進へ向け、今後もこういう機会を設けていきたい」としている。
(復興釜石新聞 2020年2月29日発行 第871号より)
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