釜石・高松『栗林小』 ネットで交流〜仲良くダンス エール交換、NTTドコモ社員が回線サポート
高松市の栗林小(手前中央の画面)3年生と、「パプリカ」を踊る栗林小3、4年生
釜石市の栗林(くりばやし)小(佐藤勉校長、児童43人)と香川県高松市の栗林(りつりん)小(武智直校長、児童1216人)をインターネットでつなぐ「ネット交流会」は1月30日に行われた。双方の大型スクリーンに相手の様子が映し出され、学校生活や地域の情報などを紹介。児童は息を合わせてダンスを踊り、笑顔を交わした。
同じ「栗林」という名称の両校は東日本大震災の支援でつながり、2014年には釜石・栗林小が招待を受け、児童ら10人が訪問。その後も図書の支援、学校生活や地域の情報交換、復興の歩みを伝えてきた。高松・栗林小のPTA会員にNTTドコモ社員がおり、同社がネット交流のサポートを提案して実現した。昨年には両校の教師間でネット会議を試行し、今回の児童の交流につなげた。
釜石側ではNTTドコモの兵頭正信さん(東京・ソリューション営業推進担当課長)、同社CS東北の吉川誠さん(盛岡市・法人営業担当課長)ら4人が支援。ネット会議システムをNTTの回線を通じ、リアルタイムで双方の画像に音声を乗せた。
高松・栗林小は3年生216人(7学級)、釜石・栗林小は3・4年生の複式学級(担任・今西和子教諭)16人。
高松側は2年前に新築した校舎や充実した設備を紹介。総合学習で取り組んだ「栗林公園」の調査学習についても発表した。茶室、橋、植物、昆虫や池の魚、働く人たちなど、クイズを織り交ぜて紹介。学校から徒歩で10分ほどの所にある有名な公園を「大切にしたい」と話した。
釜石側は、ユネスコ世界遺産に登録された橋野高炉跡が近くにあり、昨年のラグビーワールドカップ(W杯)の試合が行われたことを伝え、東日本大震災の支援に感謝する「ありがとうの歌」を届けた。
「そばの栽培とそば打ち」をテーマにした学習レポートも発表した。伝統的な農具を使い、製粉には石臼を手回し、水車の活用を試したことも伝えた。
最後に「パプリカ」(昨年の日本レコード大賞受賞曲)を一緒に合唱。互いに躍動する姿を画面で見ながら、ダンスを合わせた。笑顔で手を振り、2時間半にもわたる交流を終えた。
釜石・栗林小の小國雄理君(4年)は「りつりんの校舎は立派だった。公園の(5つの)橋は、まわりの景色がきれいだった。相手は3年生なのに、ハキハキしてすごい。学校の紹介はよくできた。楽しかった」と交流を喜んだ。
昼には5・6年13人と入れ替わり、高松の社会参加活動サークル「栗っ子チョボラ委員会」の30人と約30分の交流。学校生活や好きな教科、地域の名物や料理などについて理解を深め合った。
(復興釜石新聞 2020年2月1日発行 第863号より)
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