釜石シーウェイブス 目標の4位達成、TCリーグ最終戦 清水建設に逆転勝利〜前半の劣勢跳ね返す、ピアースHCの檄で結束
後半7分、ナンバー8中野裕太がトライを決め反撃開始=19日、東京・秩父宮ラグビー場
ラグビー・トップチャレンジ(TC)リーグの釜石シーウェイブス(SW)RFCは19日、東京・秩父宮ラグビー場で清水建設と今季最終戦を行い、38―36(前半7―22)で逆転勝ちした。前半はミスが目立つ苦しい展開となったが、15点差を追う後半はセットプレーが安定し、劣勢を跳ね返した。釜石は通算3勝1分け3敗(勝ち点15)とし、TCリーグ3季目でこれまで最高の4位に浮上した。9千人を超える観客を前に、WTB小野航大主将は「トップ4を目標にぶれずにやってきた。シーズンを通してチームが成長できた」と胸を張った。今季はワールドカップ(W杯)開催の影響で、トップリーグ(TL)との入れ替え戦はない。
釜石は後半7分、ナンバー8中野裕太主将がセットプレーからトライを決め反撃開始。SH南篤志のトライで3点差まで追い上げた後、16分にはロック上田宥人がトライを決め24―22と逆転に成功。その後、中野、WTB加賀亮太郎のトライでリードを広げたものの、逆に2トライを奪われるなど激しい攻防が続く。最後は釜石が2点差で辛くも逃げ切った。
大観衆の中で打ち振られる大漁旗。新日鉄釜石V7の黄金期を思わせた
釜石は、前半と後半で全く別のチームに変わった。前半はスクラムで反則を繰り返し、モールも止められた。しかし後半、フッカーにマット・マフィを投入すると一気に流れが釜石に傾いた。
「釜石の歴史を変えよう」。ハーフタイムでスコット・ピアースヘッドコーチが飛ばした檄(げき)も効いた。逆転トライを決めたロック上田宥人は「熱いものを胸に感じた。あの言葉で気持ちを切り替えることができた」と実感を込める。
小野と共に“2人主将”としてチームを引っ張ってきた中野裕太は「4位以上は達成できたが、まだ上に3チームいて、さらにその上にトップリーグがある。満足せず、さらに上を目指す」と来季へ目標を見据えた。
(復興釜石新聞 2020年1月22日発行 第860号より)
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