釜石署 新庁舎完成〜沿岸免許センターも、16日から業務開始
大震災から8年4カ月ぶりに常設庁舎に復旧した釜石警察署
岩手県警本部は12日、釜石市中妻町の旧昭和園グラウンドに新築した釜石警察署(仲谷千春署長)の庁舎を報道関係者に公開した。東日本大震災の津波で庁舎が全壊した同署は16日、仮設庁舎を経て8年4カ月ぶりに常設庁舎での業務を開始した。県内で被災した警察署、駐在所21カ所は、統廃合した2施設を除く19施設すべてが復旧した。
釜石署の新庁舎は敷地面積1万3642平方㍍、延べ床面積約5650平方メートルの鉄筋コンクリート造り4階建て(一部2階建て)。同署のほか交通機動隊沿岸分駐隊、高速道路交通警察隊釜石分駐隊、西側の2階建て区画には沿岸運転免許センターが配置された。JR釜石線に沿った、昭和園グラウンド時代に観客席だった土盛りは残された。
同庁舎は災害対策拠点の一つに位置づけ、被災初期の3日間は電気、給水を自力でまかなう機能を備える。
仲谷署長(中)、署員も気持ちを新たにした
2011年3月の震災当時、嬉石町にあった釜石署庁舎(沿岸運転免許センター、交通機動隊沿岸分駐隊施設を含む)は2階天井付近まで浸水し、機能が失われた。本署機能は小佐野交番に置かれ、中妻地区の民間施設に移った。同年12月、八雲町の旧釜石第二中用地跡の仮設庁舎で、免許センターとともに業務を続けた。
震災では釜石署管内で大槌町の大槌交番、吉里吉里駐在所、釜石市の鵜住居、平田、唐丹の3駐在所も建て替えが必要となり、すでに復旧した。
運転免許センターも広く、明るく、施設が充実
新庁舎の用地には11年夏から仮設住宅が建ち並んだ。住民の転出、仮設の撤去を受け17年10月から、新庁舎建設工事に着手した。
釜石署建設の事業費は約39億5千万円。県内警察施設の復旧事業費は総額92億円に上る。
釜石署の仲谷署長は「新庁舎が釜石・大槌地域の復興のシンボルとなるよう、署員が一丸となって治安維持、交通事故防止などに全力を尽くす」と決意を示した。
(復興釜石新聞 2019年7月17日発行 第808号より)
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