小川川を「ほたるの里」に〜より良い環境を次世代へ、まつりでアピール
尾崎都さんの歌に合わせた佐々木社中の踊りを楽しむ観客
釜石市内有数のゲンジボタルの生息地・小川川をPRし、ホタルが住める自然環境を次世代につないでいこうと「第7回ほたるの里まつり」が6日、中小川集会所前の空き地で開かれた。小佐野地域会議(黒田至議長)のほたるの里推進事業として、流域の4町内会などで組織する実行委が主催。あいにくの雨模様となったが、約120人が足を運び、芸能披露や作文発表を楽しんだ。
黒田議長は「釜石にはホタルの生息地が4カ所あるが、比較的近い所で観察できるのが中小川。ぜひ、ご観賞を」とあいさつ。地元の佐々木聡市議は「昨晩、自宅裏の川を見たら、例年よりも多いホタルが飛んでいた。小川川のホタルは地域住民の活動で復活した。環境保全の気持ちを大切に、みんなで守っていこう」と呼び掛けた。
2009年から歌い継ぐ「蛍の里」(釜石オリジナル歌謡同好会制作)を地域住民らが合唱。市内で活動する歌手・尾崎都さんと舞踊の佐々木社中が、歌と踊りのステージで盛り上げた。
ホタルに関する作文コンクールの入賞者を発表。表彰式に出席した優秀賞の佐々海音さん(小佐野小3年)、石井桃加さん(同)に表彰状と副賞が贈られ、受賞作を朗読した。
作文で優秀賞を受賞した石井桃加さん(右)と佐々海音さん
佐々さんと石井さんは道徳の教材で「ホタルの引っこし」という話を読んだ。人間が流した水が原因で川の環境が悪化し、ホタルや他の生き物が別の場所に移動してしまったという話。
佐々さんはホタルに詳しい父親からいろいろ教えてもらい、ホタルの気持ちを考えてみたことを作文につづった。祭り前日に小川川で開かれた観察会にも参加。初めてホタルを目にし、「きれいだった。説明してくれた人もホタルをみんなに広めたいんだと思った」と話した。
石井さんはホタルの生態を調べる中で、小川地区にホタルがいると友達に聞き、「釜石にきれいな川があると分かり、うれしくなった。これからも自然を大切にしたい。ホタルたちの未来が明るく光るように」と作文を締めくくった。
2人は自分たちにできることとして「生き物のことを考え、川に物を捨てない。ごみ拾いのボランティアとかで、もっと川をきれいにしたい」と意を強くした。
作文は小佐野小に応募を呼び掛け、2年目の今年は校内審査で選ばれた8点が実行委に寄せられた。役員らの審査で、最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作5点を選出。表彰式を欠席した最優秀賞の山崎彩佳さん(5年)の作品「ホタルのひみつとすごさ」は後日、小佐野公民館だよりで紹介される。
祭りは小川鹿踊りの演舞と餅まきで、にぎやかにフィナーレ。中小川町内会の佐々木正雪会長(69)は「雨も強くならず、何とか終えられた。地域住民が楽しみにしている行事。川を守る啓発も含め長く続けたい」と話した。
(復興釜石新聞 2019年7月13日発行 第807号より)
第7回ほたるの里まつり
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