子育て世代の女性就労支援、中妻に小規模保育施設「虹の家」が開設
中妻町に開設された「虹の家」の開所式で紹介される保育士など9人のスタッフ
大只越の一時預かり施設移転 再スタート
東日本大震災後に釜石市で子育て中の女性を支援しているNPO法人「母と子の虹の架け橋」(若菜多摩英理事長)は3日、小規模保育施設「虹の家」を中妻町1丁目に開設した。同NPOが2012年5月から大只越町で運営していた一時預かり保育施設を中妻町に移転。増加傾向にある待機児童の解消を目指す市の要請を受け、小規模保育施設として再スタートした。
新しい「虹の家」は120平方メートルほどの広さ。ビル1階の空き室を保育施設に改装した。約700万円の改修費のうち4分の3を県と市が補助。残る4分の1と備品などは、読売光と愛の事業団が助成した。
C型(スタッフ全員が保育士の資格を持たない保育従事者)の小規模保育施設として開設されたが、9人のスタッフのうち3人が保育士の資格を持つほか、看護師も1人配置。保育者1人で子ども3人の心と身体の発達を見守る。
保育時間は月曜日から土曜日までの午前7時半から午後6時半まで。定員は10人だが、当初は0歳から2歳児8人でスタートする。
開所式で若菜理事長は「継続的に、安定的に保育施設を運営できるようになり、ホッとしている。母親が安心して子どもを預けて働けるようになることで、地域全体を明るく元気にしたい」とあいさつ。大只越町の一時預かり保育施設で、子どもたちに遊び場などを提供した仙寿院の芝崎恵応住職に感謝状を贈った。
一時預かり保育施設は開設から3年余りで延べ5940人もの子どもが利用した。同NPOは昨年7月から小川町でも小規模保育施設を運営しており、そのノウハウも生かす。
市内8カ所の保育所は定員を超える約630人を受け入れているが、保育士不足などにより新たに子どもを受け入れるのが難しくなっている。市内の待機児童は、2010年はゼロだったが、6月1日現在では41人に上る。生活再建のため女性に働こうとする意欲が高まり、企業の進出で就労機会も広がった半面、保育環境が整わないことが背景にある。
待機児童解消のため市は昨年から、小規模保育事業者の募集に乗り出した。新たな保育施設の開所に、市子ども課の高橋千代子課長は「少しでも待機児童の減少につながれば」と期待する。
母と子の虹の架け橋 公式サイト
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