三鉄全線開通祝う布絵制作、利用者「夢・希望・未来」描く〜鵜住居町やまざきデイサービス


2019/03/26
復興釜石新聞アーカイブ #地域

祝いの布絵を掲げ、ゲームを楽しむ利用者

祝いの布絵を掲げ、ゲームを楽しむ利用者

 

 旧JR山田線の宮古―釜石間を含む三陸鉄道リアス線の全線開通を23日に控え、釜石市鵜住居町の沿線にある「やまざき機能訓練デイサービス」(山崎より子施設長)の利用者が大きな祝いの布絵を共同制作した。作品は運行初日の列車に合わせ、フェンスに掲げる予定。 

 

同施設では、鵜住居地域の80~90代の利用者が血圧測定など健康チェック、入浴、食事や体操、機能訓練、ゲームなどで過ごす。

 

 三鉄の開通を祝う横断幕は2月に制作した。備品の白いシーツ(長さ2・5メートル、幅1・5メートル)をカンバスに、職員の介護福祉士中財誠さん(36)が線画で基本の構図を描き、利用者が水性アクリルで彩色した。白、赤、青の列車の目的地は「夢・希望・未来」と書き入れた。

 

 列車の下はグラウンドの芝をイメージし、ラグビーボールとたわむれながら踊っているような人々の姿と桜の花びらを配置した。人型にくり抜いた紙を押し当て彩色した。

 

 作業には利用者延べ120人が参加した。手芸や絵など創作に興味を持つ人も多く、介もあった。

 

 中財さんは「個々に施設を利用する時間、介護、介護支援の内容は異なるが、絵を一緒に仕上げる創造的な行動は、レクリエーション気分とともに手先と思考力を使い、互いにコミュニケーションをとる必要があり、心身に良い刺激となる」と取り組みの狙いを語った。

 

 作品は23日の開通に合わせて線路に掲出。その後は鵜住居駅や周辺の公共施設群「うのすまい・トモス」での展示を期待している。

 

(復興釜石新聞 2019年3月20日発行 第775号より)

 

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