NHK全国短歌・俳句大会で最高賞〜唐丹中2年 上野翔明君 快挙


2019/02/06
復興釜石新聞アーカイブ #文化・教育

NHK全国短歌大会のジュニア・中学生の部で大賞を受けた唐丹中2年の上野君

NHK全国短歌大会のジュニア・中学生の部で大賞を受けた唐丹中2年の上野君

 

 2018年度(第20回)NHK全国短歌・俳句大会の短歌ジュニア部門・中学生の部で、唐丹中(菊地正道校長、生徒35人)2年の上野翔明(とあ)君の「威勢のいい唐丹虎舞さくら祭り虎の頭が大きく揺れる」が最高賞のジュニア大賞(3首)に選ばれた。表彰式は1月19日に東京都渋谷区のNHKホールで行われ、上野君は家族とともに出席した。表彰式の模様はきょう2日(午後3時~4時15分)、Eテレで全国放送される。

 

 同大会の短歌、俳句の募集は高校生以上の一般、ジュニア(幼児・小学生、中学生)の2部門。短歌の応募作品数は一般1万8029首、ジュニア2万574首。俳句は一般4万4277句、ジュニア3万9361句だった。

 

 最高賞に選ばれた上野君は「国語の授業でみんなと出品しただけ。賞をもらえる自信なんてなかった。うれしい。これで少し文芸に関心が沸いた」と思いがけない高評価に驚く。

 

 中学校は国語の単元に文芸があり、唐丹中でも2年に短歌、3年は俳句を学ぶ。国語科の臼井ともえ教諭は学習の一環で同大会への応募に挑戦させ、3年目になる。これまで2回とも入選はあるが、秀作、特選、その中から選ばれる大賞はなかった。今回は短歌で中嶋駿太君(2年)、俳句(3年)で留畑瑞穂さん、日野捺希さんも入選した。

 

 上野君は昨年4月、大名行列で知られる「唐丹さくら祭り」に郷土芸能の小白浜虎舞で参加した。東日本大震災の津波に襲われた唐丹町では、同虎舞の復活披露となった。上野君は虎頭も扱う舞い手。短歌のテーマを決めるのに迷いはなかった。

 

 創作は6月の授業で取り組んだ。臼井教諭は2年生12人に、三十一文字で表現する言葉を選び、配置する技法を指導。上野君はさくら祭りのほか、猛練習して身に付けた虎舞から言葉を選んだ。「唐丹虎舞を伝える『威勢のいい』がなかなか出なくて悩んだ」と上野君。字余りの歌が完成した。

 

 「さくら祭りは小白浜虎舞の本格的な復活だった。応援してくれる地域の人に感謝しながら気持ちを込めて演じた。短歌でも、それを表現したかった」と上野君。

 

 選者は18人。大賞候補となる「特選」に推した松村正直さん(歌誌「塔」編集長)は評で「迫力がある…桜の淡いピンクと虎の黄色の色彩が見える…釜石市の地名『唐丹』が印象的…ダイナミックな虎舞の動き…」と紹介した。選者の総意で大賞に輝いた。

 

 表彰式には、父友和さん(40)が運転する車で、母愛さんと弟妹3人の総勢6人で東京に向かった。表彰式の後、テレビのインタビューを受け、ステージで家族とともに記念撮影した。1泊して在京の親族と会い、大賞受賞を喜び合った。

 

(復興釜石新聞 2019年2月2日発行 第762号より)

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