読書家“一押し本”で合戦、チャンプ本に「徴産制」〜桑畑書店でビブリオバトル

復興釜石新聞2019/01/24

おすすめ本を紹介する発表参加者

おすすめ本を紹介する発表参加者

 

 釜石市大町の桑畑書店(桑畑眞一社長)が主催する第2回ビブリオバトル(知的書評合戦)は12日、大町復興住宅4号1階の同店で開かれた。昨年10月に初めて開催され、好評を博した企画。読書愛好者の熱い支持を受け、続回が実現した。桑畑社長から声がかかった読書家5人が一押しの本を紹介。全参加者24人が読みたくなった本に一票を投じ、「チャンプ本」が決定した。

 

 紹介者が1人5分の持ち時間で、読んで面白いと思った本の要旨、感想、おすすめポイントなどを発表。2分間の質疑応答で、発表を聞いた参加者からの質問にも答えた。

 

 日本キリスト教団新生釜石教会牧師の柳谷雄介さんは「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(永崎裕麻)、読み聞かせボランティアの本田敬子さんは「ベルリンは晴れているか」(深緑野分)、釜石シーウェイブスRFCゼネラルマネジャー兼監督の桜庭吉彦さんは「嫌われる勇気」(岸見一郎、古賀史健)、甲子中教諭の村田理恵さんは「明星に歌え」(関口尚)、釜石市役所職員の石黒めぐみさんは「徴産制」(田中兆子)を紹介した。

 

 5人は、その本に出会ったきっかけや共感部分、紹介理由などをアピール。実際に読んだ人の生の声に興味をそそられた参加者は、積極的に質問をぶつけ、今回のバトルも大いに盛り上がった。最後に全参加者が一番読みたいと思った一冊に投票。最多票を獲得したのは、石黒さん(41)が紹介した「徴産制」(新潮社)で、“チャンプ本”の称号が与えられた。

 

 「徴産制」は2092年の日本を舞台にした小説。新型インフルエンザのまん延で、10~20代女性の85%が失われ、男性が出産するしか日本人を維持できない危機的状況に陥る。国は18歳から30歳までの全日本人男性に、性転換して出産を奨励する“徴産”制度を施行。最大2年間、女性になる義務を課す。これに従事したさまざまな立場の男性5人の姿が短編で描かれる。

 

 男女共同参画の新書を探していてこの本を手に取ったという石黒さんは「突飛な設定だが今、女性が抱える問題も視点を変えて浮き彫りにする本。男女問わず、読んでほしい」と話した。

 

 甲子町のフリーランスフォトグラファー土橋詩歩さん(28)は「どんな本が出るか当日まで分からないのも楽しみの一つ。要約と自分のエピソードを交えた発表が興味深く、とても面白かった。次回開催が待ち遠しい」と声を弾ませた。

 

 2007年、京都大大学院生によって考案されたビブリオバトルは全国的に広がり、読書の楽しみを倍増させるツールとして親しまれる。

 

 「いろいろな分野の人が面白いと思った本について、直接話を聞けるのは非常にいい機会。読書の幅を広げるきっかけにもなる」と桑畑社長。次回は5月か6月の開催を予定する。

 

(復興釜石新聞 2019年1月19日発行 第758号より)

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