釜石猛攻 残留決定、中部電力に41ー7〜小野主将 トライでチームけん引、来季のTL昇格挑戦確保
ボールを持ち果敢に突進する小野航大主将。勝利につながるトライも挙げた
ラグビーのトップチャレンジ(TC)リーグと下部地域リーグとの入れ替え戦が4日、釜石市の鵜住居復興スタジアムで行われ、釜石シーウェイブス(SW)は中部電力に41―7(前半15―7)で大勝し、リーグ残留を決めた。入れ替え戦まで追い込まれた釜石SWの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー兼監督は「来季もTCリーグで戦える」とホッとした表情。ラグビーW杯イヤーの来季に持ち越されたトップリーグ(TL)昇格へ「格上のチームにも結果を残せるよう強化していきたい」と前を向いた。
冷たい浜風が吹き荒れる復興スタジアム。スタンドで打ち振られる大漁旗に向かい釜石フィフティーンが勝利の雄たけびを上げた。
「絶対負けられない試合。いい集中力で、いい試合をしてくれた」。来季のTL昇格挑戦権を確保した桜庭監督の顔は思わずほころんだ。
TCリーグ7位の釜石と3地域チャレンジマッチ2位の中部電力。入れ替え戦は独特の緊張感が漂った。結果的には大きな点差となったが、決して楽な試合展開ではなかった。
前半、風下に回った釜石は手堅くボールをつなぎ、パワープレーで前進。ゴール前のスクラムからプロップのホラニ龍シオアペラトゥーが先制トライを奪う。さらにFW陣がモールを押し込み、2トライを加えた。
前半、先制トライを決めるホラ二
後半はバックス陣が奮闘。WTB小野航大主将がタッチライン沿いを粘ってトライを決めると、CTB菅原祐輝、SH南篤志が同じような展開から連続トライ。ロックのコーリー・トーマスが今季チーム最多タイとなる7トライ目を挙げ、突き放した。
「我慢の前半が後半につながった」と桜庭監督。「前半はコイントスであえて風下を選んだ」と小野主将。「自陣からでも腹をくくって攻めるぞ」という積極果敢な思いを共有し、選手が一つになって前へ進んだ。自らのトライで勝利への流れを引き寄せ、主将としての意地を示した。
小野主将は「シンプルに力が足りていなかった」と今季を振り返り、「来季こそTL昇格を」と誓った。
大一番で躍動 SH 南篤志
相手の隙を突いて突進するSH南篤志
リーグ残留が懸る大一番で、SH南篤志が躍動した。風下に立った前半から隙を突いて再三敵陣に攻め込み、相手をほんろう。FW陣の推進力を引き出した。
風上に回った後半15分には、敵陣10メートルで得た反則からそのままボールを持って走り出し、一気にゴールラインを駆け抜けた。ゴールも決まって34―7。残留を決定付けるトライとなった。
年末年始も練習を休まず、入れ替え戦に備えて臨んだ。「(中部電力に)下から上がる勢いを感じ、メンタル的に厳しいものがあったが、やるべきことはできた」と胸を張った。
(復興釜石新聞 2019年1月9日発行 第755号より)
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