「終活」講演会スタート、7月まで市内6地区で開講〜相続が争族にならないために


2018/06/08
復興釜石新聞アーカイブ #地域

60人が真剣に耳を傾けた終活講演会

60人が真剣に耳を傾けた終活講演会

 

 元気なうちに人生の最後に向けた準備をする「終活(しゅうかつ)」をテーマにした講演会が5月31日、釜石市甲子町の甲子地区生活応援センターを皮切りに始まった。高齢化が加速し、終活の注目度が高まる中、残される家族の負担を軽減し、前向きに人生の締めくくり方を考える機会にしてもらおうと、市地域包括ケア推進室が昨年度に続いて企画。本年度は7月まで市内6地区の生活応援センター単位で順次開催する。

 

 甲子地区での講演会には約60人が参加した。釜石ひまわり基金法律事務所長の多田創一弁護士が「人生100年時代の終活~相続が争族にならないために」と題して講演。万一の時に自分の意思を残しておく準備の必要性、遺言の重要性、今すぐ始める終活などをアドバイスした。

 

 多田弁護士は相続問題を例えに挙げながら、「もっと早く対応していれば争うことなく済んだと思えるケースが多くある。残された家族、親族が仲たがいせず関係を継続していけるよう配慮するのが終活。始めの一歩を踏み出してほしい」と訴えた。

 

 財産、医療・介護と葬儀・お墓についての希望、親戚・友人の連絡先など、自分の身の回りのものを記録しておく終活ノートを配布。「残された人たちに決断させるのは酷。自分はどうしたいか、どうしてほしいか思いを残してほしい。意思表示があると家族が動きやすくなる。記録したノートのことを教えておくことも必要」と強調した。

 

 成年後見人制度、死後事務委任契約についても紹介。「悩み事の交通整理が弁護士の役割。必要なところにつないだり、アドバイスもできる。相談場所として選択肢に加えてほしい」と呼び掛けた。

 

 平田から足を運んだ60代の女性は「相続問題を抱え、すごく大変な思いをしている。子どもたちに同じ思いをさせたくない。迷惑をかけないよう、終活をきちんとしていかなければ」と話した。

 

 昨年度は、中妻と小佐野地区で実施。この日は甲子のほか、唐丹地区でも開催した。

 

 今後の開催予定は次の通り(かっこ内は開始時刻)。
 ▽6月19日=平田集会所(午後1時半)▽29日=栗橋地区基幹集落センター(午前10時)▽30日=青葉ビル(同)▽7月2日=鵜住居地区生活応援センター(午後2時)

 

(復興釜石新聞 2018年6月2日発行 第694号より)

 

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