復興住宅 市内最後の着工、浜町で待望の安全祈願〜計画から2年遅れ、12月の完成見込む
釜石市で最後の着工となる浜町復興公営住宅の建設地
釜石市が浜町に整備する東部地区浜町復興公営住宅の安全祈願祭が19日、現地で行われた。現在市内の仮設住宅などに住む31世帯が既に入居者として内定。土地の造成が遅れ、当初の計画から2年遅れとなったが、出席者は神事などで、被災者の住環境改善に向けた事業の万全を期した。県整備分、集合・戸建ても含めた復興公営住宅として市内で最後の着工。12月に見込まれる浜町復興公営住宅の完成をもって全1316戸の整備が完了することになる。
浜町復興公営住宅は当初2016年1月の着工、同12月の完成を予定していたが、ふくそうする埋設管(使用していない管)の撤去に時間を要したことなどから宅地造成工事が遅れていた。
釜石港に近い津波浸水地域を7メートルかさ上げした敷地約3640平方メートルに建設。鉄筋コンクリート造り5階建てで、31戸を設ける。延べ床面積は約2360平方メートルで、間取りは1LDK20戸、2LDK11戸。付帯施設として物置、自転車置き場、駐車場、ごみ置き場、避難デッキも整備する。
民間事業者が設計と施工を行う建物提案型買い取り方式を採用。タカヤ(盛岡市)と山長建設(釜石市)が施工し、事業費は約9億円を見込む。
早期完成を祈願した市、工事関係者
施行者が主催した安全祈願祭には関係者約30人が出席。くわ入れなどの神事を行った後、発注者の野田武則市長は「震災から間もなく7年。実質は8年で本当に遅くなったが、やっと最後の復興公営住宅の着工を迎えることができた。感無量。住まいができることで、甚大な被害を受けたこの地域に多くの人が戻ってくるきっかけになってほしい」とあいさつした。
市内の復興公営住宅は昨年末までに1214戸(92・2%)が完成。残り102戸は、4月に両石地区の集合(県整備)、5月に東部地区の只越5号が完成する見込み。両石地区の戸建ては2期に分かれ、5月と10月を予定。12月に完成する見通しの今回の浜町で整備が完了する。
(復興釜石新聞 2018年1月24日発行 第658号より)
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