中心市街地ににぎわいを、音楽ファン屋外で興奮〜「おお!マチ ミュージックフェスタ」出演15組 個性光るパフォーマンス


2017/05/16
復興釜石新聞アーカイブ #地域

おおまち広場で熱いステージを披露するSKUNKS(釜石)

おおまち広場で熱いステージを披露するSKUNKS(釜石)

 

 東日本大震災で被災した釜石市東部地区の中心市街地ににぎわいを取り戻そうと、今年も「Oh!MACHI MUSIC FESTA(おお!マチ ミュージックフェスタ)」(同実行委主催)が3日、青葉通りなどで開かれた。商店街の事業主らが企画したイベントで、震災後3回目の開催。昨年に続き「青葉マルシェ(市場)」も開かれ、市内外の音楽ファンが交流の輪を広げた。

 

 20組の応募者から選ばれた15組が出演。青葉通り(ホテルサンルート前)とおおまち広場(タウンポート大町前)に設けたステージで、ロックやニューミュージック、民謡、合唱など多彩なジャンルの音楽を響かせた。出演者は地元釜石のほか、県内各地、宮城県仙台市を拠点に活動する団体や個人。それぞれの個性が光るパフォーマンスで観客を楽しませた。

 

 パワフルな演奏で盛り上げたDr.AKIPOLD(花巻)

パワフルな演奏で盛り上げたDr.AKIPOLD(花巻)

 

 コンテストでグランプリを受賞した経歴を持つ奥州市の4人組バンド「the迷奇」は、2回目の出演。ボーカルの蒔田伸昭さん(48)は「海までも音が届きそうな気持ち良さがいい」と青空の下でのステージを満喫。復興に向かう釜石について「まちのポテンシャルを感じる。多くの人に来てもらい、今の釜石を感じてほしい」と願った。

 

 出演者全員で迎えたフィナーレ。まちの復興への願いを込め、歌声を響かせた

出演者全員で迎えたフィナーレ。まちの復興への願いを込め、歌声を響かせた

 

 陸前高田市の佐々木富恵さん(56)は「全ての演奏を聞けるよう、ステージを1カ所にしてくれるといいかな。客席の日差し対策もあれば」と今後に期待。釜石に10年ほど住んでいたことがあり、「高田と同様、人口減少が心配。住民が増え、まちに活気が生まれれば」と思いを込めた。

 

開放感いっぱいの野外ステージに心躍らせ演奏を楽しむ観客

開放感いっぱいの野外ステージに心躍らせ演奏を楽しむ観客

 

 昨年から始まったマルシェでは、地元商店やキッチンカーが軽食や飲み物を販売。釜石名物の一品もあり、来場者は青葉通りに設けられたテーブル席で飲食を楽しんだ。一般の人たちによるフリーマーケットは、衣類や雑貨、手作り工芸品などさまざまな品物の販売があった。

 

 東部地区は昨年から今年にかけて復興住宅の完成が相次ぎ、住民が増えつつあるが、店舗の再建や新規出店はまだ少なく、商店街の再生は思うように進んでいない。同実行委員長の新里耕司さん(大町商店街振興組合理事長)は「復興住宅完成後も市街地の人の流れはあまり変わっていない。こういうイベントでまちの魅力を発信し、にぎわいをもたらしたい。事業主さんの出店がさらに増えることも期待したい」と話した。

 

(復興釜石新聞 2017年5月10日発行 第586号より)

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