被災の鵜住居駐在所、移転新築〜心強い地域の明かり、4月に開所式
新しい鵜住居駐在所と藤原所長
県警本部は東日本大震災で損壊した釜石警察署・鵜住居駐在所を移転新築し、2月20日から運用を開始した。震災から6年を経て、「駐在さん」2人が地元に常駐している。唐丹駐在所も3月中に完成し、両駐在所の開所式は4月に行う予定だ。
鵜住居駐在所は鵜住居町、両石町、箱崎町、片岸町を管轄する。旧駐在所は2011年3月の震災当時、同町寺前の国道45号に近い県道釜石遠野線沿いにあり、津波で全壊した。その後、担当警察官は仮庁舎の本署、15年度から大槌交番をベースに、復興に向かう管轄区域の治安を守ってきた。
新しい駐在所の所在地は鵜住居町27の7の2。国道「恋の峠」から北へ約200メートルの市道沿いで、復旧工事が見込まれるJR山田線の間近。木造2階建て延べ床面積360平方メートルで、1階が職務室。トイレは車いすも利用できるバリアフリー、数台分の駐車スペースも確保した。電話番号は28・2505。
勤務するのは所長の藤原健一巡査長と金野巧巡査長。2人は大槌交番に詰めていたが、駐在所の引き渡しに伴い常駐となった。
管轄区域には現在、約1500世帯が暮らす。災害復興公営住宅や住宅再建が急ピッチで進み、さらに被災住民が戻って来ると見込まれる。
藤原所長(38)は「公営住宅などで高齢者の一人暮らしもある。暮らしの安全と特殊詐欺犯罪などの被害防止のため巡回連絡に力を入れていく。復旧工事が続き、道路環境も変わる。交通安全にも注意を呼び掛ける」と決意を示した。また、「住民のみなさんが『駐在所の明かりが心強い』『ありがとう』と温かく迎えてくれた」と喜んだ。
釜石警察署(阿部裕一署長)管内では大震災で2交番と、鵜住居など4駐在所が全壊などの被害を受けた。県警本部は19カ所の警察施設の移転・再建を目指し、14年12月、平田駐在所が最初に再開。大槌交番は16年12月に開所した。
(復興釜石新聞 2017年3月18日発行 第572号より)
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