鵜住居復興住宅1号棟と戸建て、46戸の竣工を祝う〜同地区浸水域で初「希望の光」に、10日には部屋決め抽選会


2016/12/14
復興釜石新聞アーカイブ #地域

いよいよ入居が始まる鵜住居地区復興公営住宅1号棟

いよいよ入居が始まる鵜住居地区復興公営住宅1号棟

 

 釜石市鵜住居町の中心部に建設が進められてきた「鵜住居地区復興公営住宅1号棟」(32戸)と戸建ての同住宅14戸が完成し、8日、現地で竣工(しゅんこう)式が行われた。津波で浸水し土地区画整理事業が導入された場所に初めて完成した復興住宅で、町内では非浸水域の日向復興住宅に続く完成。10日に入居予定者の内覧会と部屋決め抽選会が行われる。

 

 竣工式は住宅に併設された集会施設で開かれ、市や工事関係者、地元住民ら約40人が出席。事業を請け負った独立行政法人都市再生機構岩手震災復興支援本部の森本剛本部長から野田武則市長に鍵のレプリカが引き渡された。鵜住居青年会が虎舞を披露し、餅まきで完成を祝った。

 

 両住宅は、再建される鵜住居駅の南側に建設された。集合住宅は昨年10月、戸建て住宅は今年4月に着工し、共に11月に完成した。市の取得価格は集合住宅が12億500万円、戸建てが3億1300万円。

 

 集合住宅は鉄骨造り5階建てで、1LDK(約57平方メートル)25戸、2LDK(約65平方メートル)7戸。玄関とキッチン脇に小窓を設け生活の明かりが共用廊下にもれるようにすることで、見守り補助につなげた。大和ハウス工業岩手支店(盛岡市)が設計、施工した。

 

 戸建ては木造平屋建てで、1LDK(約51平方メートル)4戸、2LDK(約58平方メートル)10戸。洗面脱衣室とトイレを連続させることで、介護にも対応できる造りになっている。東照建設(盛岡市)が設計、施工した。

 

 住宅は、駅から続く歩行者の動線に配慮して配置。国道45号を挟んだ山の造成地に建設中の小・中学校とのつながりも意識した。集合住宅に隣接する集会施設は鉄骨造り平屋建てで、延べ床面積は約500平方メートル。多目的室を国道側に配置し、同地区生活応援センターも入居する。

 

竣工を祝い鵜住居虎舞の手踊り。背後には完成間近の学校校舎も

竣工を祝い鵜住居虎舞の手踊り。背後には完成間近の学校校舎も

 

 野田市長は「鵜住居地区は心痛な思いから辛抱を重ね、今日まで来ている。(復興住宅の完成で)やっと明るい希望の光が見えてきた。来年度には復興の姿が形として見られると思う」と述べた。

 

 鵜住居地区の盛り土造成地全体では、集合タイプの復興住宅2棟(75戸)、戸建て住宅45戸を整備する計画で、残る1棟(43戸)は来年4月、戸建ての31戸は8月までの完成を見込む。

 

 鵜住居地区復興まちづくり協議会の古川愛明副会長は「これが鵜住居復興の第一歩。集会施設も活用し、まち開きへとつなげていきたい」と、住民が戻ることによる復興の加速を願った。

 

(復興釜石新聞 2016年12月10日発行 第545号より)

 

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