海のすばらしさ、写真と絵画で〜釜石市「海の日」実行委員会、初のコンクールで8人表彰
復興釜石新聞アーカイブ
野田市長と記念撮影する「海の写真・絵画コンクール」の入賞者
釜石市「海の日」実行委員会(会長=野田武則市長)が釜石の海をテーマに作品を募集した「海の写真・絵画コンクール」の表彰式が3日、鈴子町のシープラザ釜石で行われた。コンクールは初めての企画で入賞者8人を表彰。全応募作品が2階アイデアフロア(からくり虎舞付近)で11日まで展示される。
表彰に先立ち野田市長は「震災の津波で大勢の方が犠牲になった。海は非常に怖いが一方で、たくさんの海の幸を提供してくれたり船舶で荷物を運んだり、大切な役割がある。海と共に生活していく市民として、その両面を小さいころから学んでほしい」とコンクールに込めた思いを明かした。写真は9点、絵画は22点の応募があり、審査で選ばれた両部門の金1、銀1、銅2の各賞受賞者に野田市長から表彰状と記念品が贈られた。
応募写真は、さまざまな場所から臨む海の風景や港で働く人などを捉えており、朝焼けや青空と相まって美しい表情を見せる海が目を引いた。金賞を受賞した中妻町の会社員、木村明子さん(48)の作品は、ワカメのボイル作業に励む漁業者の笑顔が輝く一枚。4月に唐丹町本郷で撮影したもので、「過酷なイメージがある漁業という仕事の印象を変え、同時に漁業者の誇りが感じられる堂々とした作品」と評価された。
金賞を受賞した木村明子さん(中妻町)の写真「浜の笑顔」
趣味で写真を始めて約3年という木村さんは「港の復興工事が進む傍ら、漁業者もなりわい再生へ頑張っている様子が伝わればと思いシャッターを切った。明るく和気あいあいと作業する姿にほっこり。(金賞受賞は)光栄です。今後も精進したい」とさらなるステップアップを誓った。
絵画は個人出品のほか、甲東こども園が「海のいきもの」をテーマに取り組んだ年長児の版画を団体出品。金賞を受賞した同園の石黒亜季ちゃん(5)の作品は「中央にダイナミックに描かれた魚、周囲に配置されたカニやホタテなどの構図が素晴らしく、愛らしさを感じさせる」と審査員の高評価を得た。野田摩理子園長は「魚のひれを細かく作り込むなど、どの子も工夫を凝らして仕上げた。図鑑を見たりすることで海にはいろいろな生き物がいることも学び、海に親しみを持てたよう」と話した。
石黒亜季ちゃん(甲東こども園)の版画「海のいきもの」
同コンクールには幼児から60代までさまざまな年代の市民が参加。市水産課の佐々木道弘課長は講評で、「どの作品も豊かな表現が光り、海の美しさ、雄大さを感じとれた。釜石の海が市民の心にどう息づいているのかも知れる機会になった」と手応えを実感。来年度以降も継続できればとの見通しを示した。
入賞者は次の通り。
【写真の部】
▽金賞=木村明子(48)▽銀賞=伊東光(44)▽銅賞=中村幸一(61)、佐藤憲弘(43)
【絵画の部】
▽金賞=石黒亜季(5)▽銀賞=堀内優護(7)▽銅賞=石川夕茜(5)、岡田ゆの(5)
(復興釜石新聞 2016年12月7日発行 第544号より)
釜石市 海の写真・絵画コンクールの受賞作品について | 釜石市
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