開業から1年半「釜石仙人峠」100万人達成〜花井さん(静岡市)に記念品


2016/10/31
復興釜石新聞アーカイブ #観光

来場者100万人目となり、記念品を受け取る花井英夫さん夫妻(中央)

来場者100万人目となり、記念品を受け取る花井英夫さん夫妻(中央)

 

 釜石市甲子町の道の駅「釜石仙人峠」(菊池利教駅長)は23日、来場者数100万人を達成した。復興需要に加え、いわて国体の開催により交通量が増加したこともあり、当初の見込みを上回る集客数で推移。開業から1年半で大台に達した。同日、施設前で記念セレモニーが開かれ、100万人目となった静岡市の花井英夫さん(73)、瑞代さん(71)夫妻に記念品が贈られた。

 

 同道の駅は昨年4月に開業。地元を中心に20軒以上の農家でつくる販売組合が特産の甲子柿や季節の野菜などを直売するほか、海産物、地酒などを販売している。「釜石ラーメン」やしょうゆを使ったソフトクリームも人気。「三陸沿岸で一番きれい」を目指し、清掃に力を入れているトイレ棟(24時間利用可能)が利用者に好評で、トイレ休憩のために立ち寄る人も多いという。昨年度の利用者は64万人だった。

 

 セレモニーでは、野田武則市長や道の駅指定管理者を務める釜石振興開発の新里進社長が、花井さん夫妻に記念品の虎頭の置物などを贈った。郷土芸能の小川鹿踊り(佐々木民生同保存会長)の演舞でお祝い。5頭の鹿、手踊り、おはやしなど20人が出演し、勇壮な舞と太鼓や笛の音で地域を活気付けた。

 

 花井さん夫妻は、本県沿岸から八戸市への旅の途中に同道の駅に立ち寄った。思いがけず100万人目となり、英夫さんは「大切な場に立ち会えて光栄。思い出となるいいものをもらった」とにこにこ顔。震災後、何度か釜石を含めて被災地を回ったといい、「駿河湾でも、いつ津波が起こるか分からない。三陸から学ぶ旅にしたい」と話していた。

 

 野田市長は「道の駅ができ、地域の良さを発信できるようになった。果たす役割は大きい。多くの人に必要とされ喜ばれる施設として地域一丸となり盛り上げてほしい」と期待。菊池駅長は「こんなに早く到達するとは思わなかった。今後もいろんな釜石を紹介できれば。200、300万とずっと続くことを願い、運営を続ける」と気持ちを新たにした。

 

(復興釜石新聞 2016年10月26日発行 第532号より)

 

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