釜石市から38年ぶり 都市対抗野球東北大会へ クラブチームの「釜石野球団」初の大舞台に挑む

第97回都市対抗野球県予選で3位となり、東北大会出場を決めた釜石野球団=写真提供:同団(以下、試合写真同)
釜石市唯一の社会人硬式野球チーム、釜石野球団(佐藤貴之監督、43人)が18日に福島県で開幕する第97回都市対抗野球第二次予選東北大会に岩手第3代表として出場する。釜石市のチームが同大会に出場するのは1988(昭和63)年に新日鉄釜石硬式野球部が出場して以来38年ぶり。1975(同50)年創立の同団にとっては初の快挙となる。企業チームを含む各県の強豪が集まる大会で、選手らは同市代表の誇りを胸に積み上げてきた実力を最大限発揮する構えだ。
釜石野球団(以下、釜石)は5月に開催された第一次予選県大会に出場。15クラブによる予選を勝ち抜いた4チームとシード権を持つ4チーム計8チームで争う県代表決定トーナメントに、シードチームとして出場した。1回戦は予選Aブロック代表の盛友クラブ(盛岡市)と対戦し12-5で勝利。準決勝はJR盛岡(同)に13-0で敗れた。釜石は第3代表(3位)決定戦で、県内クラブチームの強豪、水沢駒形野球倶楽部(奥州市)と対戦。8回に一挙4点を挙げる逆転勝利(4-1)で、初の県代表の座を獲得した。東北大会には優勝のトヨタ自動車東日本(金ケ崎町)、準優勝のJR盛岡とともに出場する。

5月24日に行われた第3代表決定戦。釜石野球団は水沢駒形野球倶楽部と対戦。上ユニフォーム白が釜石

写真右は盛友クラブ戦で着用したユニフォーム。ともに肩には釜石市の市章が入る
クラブチームの釜石はこの10年で着実に力をつけてきた。2018年のJABA東北クラブカップ県予選優勝での東北大会出場を皮切りに、24年には全日本クラブ選手権県予選で3位、25年の同選手権県予選では準優勝に輝き、2年連続の東北大会出場を果たした。
選手は釜石出身、在住者のみならず、県内各地から加入していて、高校野球での甲子園出場経験者も複数在籍。加入者は増加傾向にあり、今年は他チームからの移籍を含め7人が新たに加わった。このうち5人が投手で、投手陣は計15人に。エース廣崎真樹(32)を中心に、新加入の佐々木武輝(23)、大瀬開途(20)、阿部浩土史(21)らが本県予選でも好投した。「投手層が厚くなり、先の試合を見据えながらの起用が可能になった。投手が多いのは大きな戦力」と佐藤監督(57)。

昨年加入した廣崎真樹投手。エースとして活躍(盛友クラブ戦)

今年新たに加入した佐々木武輝投手。水沢駒形戦で先発し、相手打線を3安打に抑えるピッチングで137球を完投

新加入の大瀬開途投手は釜石出身。県内の野球強豪校、一関学院高を卒業
チームの持ち味、打撃にも磨きがかかる。菅原昌也(28)、西澤和哉(28)、滝田丞(25)の打力に加え、俊足の吉田匠(30)、西澤直史(31)の一打も期待したいところ。都市対抗野球には元プロ選手ら球速の速い投手が参入しているため、「そこにどのくらい食らいついていけるかが鍵」(佐藤監督)。

チームの主砲、菅原昌也選手(左)は本予選でも長打力を発揮。盛友戦では本塁打も。滝田丞選手(右)も先頭打者などで活躍

西澤直史(右)、和哉(左)兄弟選手も打撃の要。捕手の和哉選手は司令塔としてもチームを支える
第3代表決定戦で8回に同点打を放ち、逆転勝利へチームを勢いづけた菅原選手は「入団してから水沢駒形には一度も勝ったことがなかった。水沢を倒すのを目標にやってきたので喜びは大きい」とし、新戦力の投手陣の頑張りと昨年の対戦での相手投手の研究を勝因に挙げる。社会人野球の最高峰“都市対抗”で東北大会に行けることに、「県外の強豪企業チームと対戦できる機会はそんなにない。今回の経験がチームの飛躍にもつながると思うので、得るものを得て全力で戦ってきたい」と意気込む。入団11年目の今季は主将としてもチームをけん引する。「釜石市代表として、市民の皆さんに良い報告ができるように頑張る」とも。

毎週水曜日の通常練習は仕事を終えた夜に実施。佐藤貴之監督(左)のノックで守備練習=10日

ティーバッティング練習でミート力、スイングスピードなどを養う
全日本クラブ選手権含め3年連続の東北大会進出。選手らは場慣れも進み、「経験値が上がってきたことで『自分たちもやれる』という自信がついてきている」という。練習に対する意識も変わってきていて、選手から新メニューを提案することも。チームのモットー「エンジョイ!ベースボール」はそのままに、さらなる高みを目指す。釜石市の市章を肩に付けて臨む本大会。「東北大会では大漁旗も飾って、釜石を大いにアピールしてきたい」と佐藤監督。

夜の練習は釜石在住者が中心。各地のメンバーが集まっての球場練習は土日に設定

初の都市対抗東北大会へ気持ちを高めるメンバー「頑張るぞー!」
東北大会には6県から計12チームが出場する。釜石の初戦は18日午前10時から。福島県営あづま球場で、仙台市のマルハン北日本カンパニー(宮城第4代表)と対戦する。東京ドームで行われる全国大会への出場枠は上位2チーム。
【続報】
釜石野球団の下部組織、小学生チームの「釜石野球団Jr(ジュニア)」は13日に岩泉町の楽天イーグルス岩泉球場で行われた第48回エンジョイ!軟式野球フェスティバル2026県予選(いわての牛乳カップ)で初優勝。全国大会への出場権を手にした。準決勝で田野畑スピリッツ・普代オーシャンズ連合(下閉伊北)を10-4で下した釜石は、決勝で山目スポーツ少年団(一関市)と対戦。1回に一挙3点、2回、4回に各4点を加えた釜石は11-3(5回コールド)の大差で勝利。釜石の熊谷龍希選手は最優秀選手賞、前川城選手は打撃賞を受賞した。全国大会は本県を会場に8月8~11日の日程で行われる。

13日に決勝が行われた軟式野球フェス県予選(いわての牛乳カップ)で優勝し、全国大会出場を決めた釜石野球団Jr(ジュニア)=写真提供:同団Jr

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