小正月の風習 末永く後世に 松倉町内会「みずき団子祭り」 子どもたちと地域つなぐ機会にも


2026/01/13
釜石新聞NewS #地域

松倉町内会の小正月行事「みずき団子祭り」=10日、松倉地区コミュニティ消防センター

松倉町内会の小正月行事「みずき団子祭り」=10日、松倉地区コミュニティ消防センター

 
 1月15日は小正月。本県では、ミズキ(水木)の枝に色とりどりの団子を飾り、新しい年の五穀豊穣や家内安全などを祈る風習が各地で受け継がれる。釜石市内では、古くは農家や商家など家々で行われたが、今は公民館や幼児施設で季節行事として開催されることが多くなった。甲子町の松倉町内会(佐野賢治会長、580世帯)もその一つ。10日、同地区コミュニティ消防センターで、みずき団子祭りを開き、子どもから高齢者まで約40人が伝統行事で交流を深めた。
 
 同センター2階の集会室には、縁起が良いとされる3段の枝ぶりが見事なミズキが据えられた。始めに団子を刺しやすいように、枝に出ている芽を取り除いた。枝に飾り付ける団子は町内の女性らが下準備し、小学5、6年児童が手伝って仕上げたもの。4色の団子は四季を表すとされる。子どもたちは丸い団子を手に取り、枝の先に刺していった。背の高い部分は、お父さん方が担当。団子のほかミカンや菓子袋、願い事や目標を記した短冊も飾った。
 
ミズキの芽を摘み取る「芽かき」からスタート

ミズキの芽を摘み取る「芽かき」からスタート

 
4色の団子をミズキの枝に飾り付ける子どもら。「うまくできるかな?」

4色の団子をミズキの枝に飾り付ける子どもら。「うまくできるかな?」

 
枝の高い所はお父さん方が担当。カラフルな団子で枯れ木に花が咲いたよう…

枝の高い所はお父さん方が担当。カラフルな団子で枯れ木に花が咲いたよう…

 
 野田紗也佳さん(甲子小5年)は花が咲いたようなミズキに「きれい」と感激。短冊には「勉強で頑張りたいことを書いた。苦手な算数を克服して得意になりたい」と今年の目標を掲げた。鳩岡柚さん(同)は、みずき団子について「知っていたけどやるのは初めて。楽しかった」とにっこり。春には小学校生活最後となる6年生になる。「低学年の子たちにやさしくしたい」と最上級生への自覚を高めた。
 
菓子やミカン、短冊も飾ると、さらに華やかに…

菓子やミカン、短冊も飾ると、さらに華やかに…

 
短冊にはそれぞれの夢や願い事が記された。2026年が「良い年になりますように」との願いも込めて…

短冊にはそれぞれの夢や願い事が記された。2026年が「良い年になりますように」との願いも込めて…

 
 会場には紅白の幕や子どもたちが書き初めをした書道作品も飾られ、華やかなミズキ飾りとともに新年の祝いムードを盛り上げた。その中で、子どもたちは羽子板や福笑いなど昔ながらの正月遊びを楽しんだ。
 
 地元の正福寺住職、須藤寛人さん(61)の講話もあった。今年のえと「午(ウマ)」の話では、5500万年前のウマは中~大型犬ぐらいの大きさしかなく、長い年月をかけて今の大きさになったこと、日本では元々、耕作や運搬など農家の力仕事を手伝ってくれる農耕馬が主流で、競走馬のような足の速いウマは後に外国から入ってきたものであることを教えた。また、みずき団子に込められる実りや成長への願いにも触れ、「みんなも1年の目標を定め、今年の終わりにはそれを達成できるように頑張って」とエールを送った。
 
松倉のみずき団子祭りでは毎年、正福寺の須藤寛人住職(右)が講話。新年にあたり、ためになる話をいただける

松倉のみずき団子祭りでは毎年、正福寺の須藤寛人住職(右)が講話。新年にあたり、ためになる話をいただける

 
正月遊びの定番「福笑い」や「羽子板」は昔も今も変わらず人気。ミズキ団子には子どもたちの健やかな成長への願いも込められる

正月遊びの定番「福笑い」や「羽子板」は昔も今も変わらず人気。ミズキ団子には子どもたちの健やかな成長への願いも込められる

 
竹とんぼを飛ばしてみる親子。この日はお手玉などの昔遊びも用意され、楽しい時間を過ごした

竹とんぼを飛ばしてみる親子。この日はお手玉などの昔遊びも用意され、楽しい時間を過ごした

 
 同町内会のみずき団子祭りは、甲子公民館が1982年から行ってきた行事を受け継ぐ形で今に至る。コロナ禍で5年間中断したが、昨年から再開。以前は100人以上が参加していた時期もあったが、少子化の影響などで、近年はピーク時の半数ほどになっている。
 
 市内では人口減や少子高齢化で町内会活動が難しくなっている地域もある。そんな中で松倉町内会では、子どもたちとその保護者が親子で参加して楽しめるような行事を積極的に導入。子ども会やPTAと連携し、古里の良さを感じながら幅広い年代が交流を図れる機会を設けている。「何か接触がないと(若い世代が)どんどん離れてしまう。こうした行事を通して町内会に参加してもらうことで一体感を高めたい。地域全体で子どもたちを見守っていければ」と佐野会長。この日は集まった保護者らに、子どもたちが楽しめるような企画の提案も呼びかけた。

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