適切な通報呼びかけ 釜石警察署「110番の日」 地域守る交番、周知・啓発に一役


2024/01/17
釜石新聞NewS #防災・安全

「110番の日」にちなんだ釜石警察署の広報活動

「110番の日」にちなんだ釜石警察署の広報活動

 

 1月10日は警察の緊急通報110番の正しい利用を促進する「110番の日」。釜石警察署は釜石市、大槌町でさまざまな広報活動を展開した。市内では商業施設で白バイを展示して写真撮影を楽しんでもらったり、「安全安心な街の風景」をテーマにしたペーパークラフトを作って保育施設に贈ったり。地域を守る活動拠点の交番が中心となって企画を実行し、住民らと触れ合いながら適切な通報、交通安全への協力を呼びかけた。

 

正しく使おう110番!釜石駅前交番

 

 広報イベントは7日に港町のイオンタウン釜石であった。鈴子町の釜石駅前交番(藤村りえ所長)が中心となり、唐丹駐在所や釜石署交通課の警察官も加わり8人体制で活動。買い物客らに110番通報のかけ方をまとめたチラシなどを配った。会場には白バイが展示され、引き付けられた家族連れらが次々に来場。車体に触れたり写真を撮ったりした。

 

白バイの乗車体験は家族連れに人気。写真撮影を楽しんだ

白バイの乗車体験は家族連れに人気。写真撮影を楽しんだ

 

憧れの白バイにまたがって子どもも大人も110番を意識づけ

憧れの白バイにまたがって子どもも大人も110番を意識づけ

 

 岩手県警通信指令課によると、2023年中にあった110番通報は6万918件で、1日当たり167件。そのうち、1万5437件(25.3%)が誤発信や無応答、いたずら電話だった。

 

 警察庁によって1985(昭和60)年に定められた110番の日。3桁の番号と数字はかけ間違いが少なく、当時のダイヤル式電話ですぐに通報できるよう考えられた。現在はボタン式やスマートフォンなどタッチパネルなどが主流で操作速度が上がる一方、画面への偶然の接触や電源ボタンの長押し・連続押しで誤って通報するケースが急増しているという。

 

釜石駅前交番の警察官らが110番の適切な利用を呼びかけ

釜石駅前交番の警察官らが110番の適切な利用を呼びかけ

 

 来場者に現状を説明した藤村所長(36)は「110番は警察官が迅速に対応するための大切な窓口。事件、事故の場合はためらわずに通報をしてほしい」とした上で、「急を要しない通報が全体の4分の1もあり、適切に対応ができなくなっている。間違って通報した場合は『間違いです』と伝えてほしい」と強調。緊急でない相談は「#9110」(警察相談専用電話)、または最寄りの警察署や交番を利用するよう理解を促す。

 

「地域の安心、守ります」小佐野駅交番

 

 小佐野町の小佐野交番(川野正行所長)は、子どもたちに110番や交通安全を呼びかけようと、釜石の街並みを表現したペーパークラフトを制作。10日、管内の保育施設4カ所に贈った。上中島町の上中島こども園(楢山知美園長、園児48人)では触れ合いの時間も。「110番、知ってる?」との警察官の質問に、園児から「消防」などと答えが返ってきて苦笑いする場面もあったが、「警察につながることを覚えていてね」と優しく伝えた。

 

110番の日に広報活動を行った小佐野交番の警察官

110番の日に広報活動を行った小佐野交番の警察官

 

ペーパークラフトに見入る上中島こども園の園児たち

ペーパークラフトに見入る上中島こども園の園児たち

 

 警察官に憧れているという青山柚樹君(6)は「かっこいい」とすてきなプレゼントを食い入るように見つめた。高橋真奈華巡査(23)はこうした交流で、「何かあった時のために警察、交番の存在を意識してもらえたら。距離が近く、親しみやすいイメージを持ってほしい」と期待する。

 

「けいれーい!」。ポーズを決めて写真をパチリ

「けいれーい!」。ポーズを決めて写真をパチリ

 

 四つ切り画用紙にパトカーのペーパークラフト、警察官のモチーフ、交差点、交通安全や防犯のメッセージなどを配置。虎舞や三陸鉄道など釜石らしい風景も入れた。「模型で子どもたちの意識づけに」と川野所長(54)が発案。交番の警察官3人と昨年12月から1カ月ほどかけて手作りした。「パトカーで地域を回っていると、子どもたちが手を振ってくれる」。その笑顔を思い浮かべながら、感謝を込めて手を動かしたという。

 

釜石の街並みを表したペーパークラフト。4人の個性が出る!?

釜石の街並みを表したペーパークラフト。4人の個性が出る!?

 

ハイタッチで「安全安心な街の風景」を守る関係づくり

ハイタッチで「安全安心な街の風景」を守る関係づくり

 

 川野所長は子どもたちの喜ぶ様子に頬を緩めつつ、「事件、事故のない地域が一番だが、何かあれば私たちが守る。交番に優しいお巡りさんがいることを覚えていてほしい」と背筋を伸ばした。

釜石新聞NewS

釜石新聞NewS

復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。

取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム

釜石のイチ押し商品

商品一覧へ

釜石の注目トピックス