岩手県で第50回東北総体 釜石市はラグビー成年男子・女子、ボクシング会場に 国体出場県決定


2023/08/28
釜石新聞NewS #スポーツ

第50回東北総体(特別国体東北ブロック大会)ボクシング競技=釜石市・TETTO、26日

第50回東北総体(特別国体東北ブロック大会)ボクシング競技=釜石市・TETTO、26日

 
 この夏、岩手県を会場に行われてきた第50回東北総合体育大会。本県開催は2015年以来8年ぶりで、釜石市では8月19、20の両日、ラグビー競技「成年男子」「女子」(いずれも7人制)、同25日から27日までボクシング競技が行われた。ボクシングは釜石初開催。2競技に東北6県から選手、監督ら200人以上が来釜。地元出身、ゆかりの選手も出場した。各競技の上位県は10月に鹿児島県で開かれる特別国民体育大会に東北ブロック代表として出場する。
 
 ラグビー成年男子、女子は鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。18年に完成、19年にラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の会場となった同スタジアムでは初の東北総体開催となった。成年男子は6県が参加。初日に予選リーグを行い、勝ち点の合計順位により2日目に決勝トーナメントが行われた。女子は5県が参加し、2日間にわたりリーグ戦を実施。勝ち点の合計で順位を決めた。試合は7分ハーフ。
 
東北総体ラグビー競技(7人制)成年男子=釜石鵜住居復興スタジアム、19日

東北総体ラグビー競技(7人制)成年男子=釜石鵜住居復興スタジアム、19日

 
予選リーグ「岩手-山形」で先制トライを決めた岩手・畠山克巳選手(日本製鉄、緑ジャージ)

予選リーグ「岩手-山形」で先制トライを決めた岩手・畠山克巳選手(日本製鉄、緑ジャージ)

 
予選リーグ「岩手-宮城」。22対12で岩手が勝利した

予選リーグ「岩手-宮城」。22対12で岩手が勝利した

 
 成年男子の岩手県チームには、釜石シーウェイブス(SW)RFCの元選手4人がメンバーに名を連ねた。昨季でSWを退団した佐々木絃選手(25)は同大会初出場。「15人制とはいろいろ違う部分があるが、各県ともレベルが高い。暑かったが、いい天気の中で気持ち良くプレーできた」と喜んだ。9月にフランスで初開催されるワールドアマチュアラグビーフェスティバルにも参加予定で、新たな舞台での活躍を目指す。
 
 女子の岩手県チームは高校生が主体。6人がメンバー入りした花巻東高の選手の中には釜石ゆかりの選手も。同校3年の片山彩子選手(17)は小佐野小、釜石中出身で、小中と釜石SWジュニアに所属。中学2年時に同スタジアムでラグビーW杯を観戦している。「ここでW杯を見た者として、思い出の地でプレーできたのはうれしい」と片山選手。高校ラグビーの3年間を振り返り、「きついけど女子でやれて楽しかった。今年はいろいろな大会にも出られた。ラグビーを続けてきて良かった」と実感を込めた。
 
ラグビー女子のリーグ戦「岩手-宮城」=19日

ラグビー女子のリーグ戦「岩手-宮城」=19日

 
 トライを決め、喜ぶ岩手県チーム(青ジャージ)

トライを決め、喜ぶ岩手県チーム(青ジャージ)

 
 大会の結果、国体には成年男子が秋田県と青森県、女子は福島県が出場することになった。八幡平市で行われた少年男子は宮城県と青森県が国体出場権を手にした。
 
 一方、ボクシングは大町の市民ホールTETTOが会場。ホールAにリングを設置して行われた。25日に行われた開会式で野田武則釜石市長は「東日本大震災の復興を発信する当市にとって絶好の機会。スポーツの力が地域に活力を与えてくれるものと期待している。日ごろの厳しい練習の成果を存分に発揮し熱い試合を」と選手を激励した。
 
東北総体ボクシング競技の開会式に集まった東北6県の選手=25日

東北総体ボクシング競技の開会式に集まった東北6県の選手=25日

 
ホールAのステージと客席の一部をつなげ、特設リングを設置した競技会場

ホールAのステージと客席の一部をつなげ、特設リングを設置した競技会場

 
 競技は「成年男子」「少年男子」「成年女子」の3種目で行われた。男子は成年、少年とも8階級(成年:ライトフライ~ライトヘビー、少年:ピン~ミドル)で試合を実施。各県は任意の5階級に1人ずつ出場。各階級の総合得点で順位を決めた。試合は成年が3分3ラウンド、少年は2分3ラウンドで行われた。各県の選手は仲間や家族の声援を受けながら激しい戦いを繰り広げ、会場内は終始、熱気に包まれた。
 
 地元からは釜石高3年の佐々木夏選手(18)が少年男子ピン級に出場。佐々木選手は開会式で選手宣誓も担当した。「市民ホールが会場になるのは想像できなかったが、競技環境としては問題なくプレーできた。地元開催はうれしい」と歓迎。初戦の相手は過去の対戦で2度敗れている選手で、リベンジをかけて臨んだが、あと一歩及ばず敗戦。悔しい結果とはなったが、3年間の集大成を見せた。ボクシングとともにあった高校生活。「合宿や減量など家族の支えがあってここまでこられた」と感謝の気持ちを口にした。
 
選手宣誓をした釜石高3年の佐々木夏選手(右)少年男子ピン級初戦で山形県の選手と対戦(左)

選手宣誓をした釜石高3年の佐々木夏選手(右)少年男子ピン級初戦で山形県の選手と対戦(左)

 
仲間に声援を送る岩手県チームの選手ら(手前)

仲間に声援を送る岩手県チームの選手ら(手前)

 
 ボクシングの国体には成年男子が岩手、山形、青森の3県、少年男子が青森、福島、山形の3県、成年女子は青森、岩手の両県が出場を決めた。
 
 本年の国体は、2020年に鹿児島県で開催予定だった第75回大会が新型コロナウイルス感染症の影響で23年に延期されたことに伴い、回数をつけない特別大会として開催される。24年の佐賀県大会からは、大会名称が「国民スポーツ大会」(略称・国スポ)に変更される。

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