次代につなぐ活動を 釜石・大畑町内会創立50周年 楽しく安全な地域づくり誓い合う


2023/05/01
釜石新聞NewS #地域

大畑町内会の50周年を祝った住民ら。活動継続へ気持ちを新たにした

大畑町内会の50周年を祝った住民ら。活動継続へ気持ちを新たにした

  
 釜石市甲子町の大畑町内会(田畑孝会長、約540世帯)が創立50周年を迎え、4月23日、甲子林業センター「おおはた杜(もり)の家」で記念式典を開いた。約80人が出席し、今後も支え合いながら楽しく安全な地域づくりに取り組むことを誓った。
   
 同町内会では、同センターを拠点として子どもも高齢者も、地域ぐるみで活発に着実に活動を重ねてきた。ここ数年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から活動を縮小せざるを得なかったが、あいさつに立った田畑会長は「様子を見ながら以前のように楽しく安全に活動できるようにしたい。大畑地域の将来を見据えた活動をともに進めていきましょう」と力強く呼びかけた。
   
 来賓として出席した野田武則市長は「ここは町内会活動が活発な地区。東日本大震災の発災直後、このセンターも避難所として利用され、炊き出しなどに協力していただいた。この地で生活再建した人も多いだろう。これまでの積み重ねを大事に、そして次の新しい時代をつくるため、大畑から盛り上げてほしい」と祝辞。長年にわたる地域活動の功績をたたえる感謝状を町内会に贈った。
  
野田武則市長から感謝状を受け取った田畑孝会長(左) 

野田武則市長から感謝状を受け取った田畑孝会長(左)

   
 同町内会の起こりは1971年発足の消防後援会(会員は90人ほど)。住みよい環境づくりと組織体をつくるのを目的に、その後3年かけて準備し、74年に現在の町内会が設立された。それから7年後、待望の同センターが落成。料理教室やカラオケ、舞踊などのサークル活動、老人クラブ、子ども会など多様な地域活動の拠点施設として活用されている。
  
 文化祭や盆踊りなど町内会行事をはじめ、マスのつかみ捕り、年縄づくりなど子ども育成活動、交流促進に力を入れてきた。コロナ禍で行事の中止や規模縮小が続いていたが、収束傾向を踏まえ少しずつ再開させていく考え。合わせて、50周年記念誌の制作も進める。
  
末永い活動継続に期待を込め、助言した岩手県立大の吉野英岐教授

末永い活動継続に期待を込め、助言した岩手県立大の吉野英岐教授

  
 震災後に被災地域のコミュニティーづくりを見守り助言を行ってきた岩手県立大総合政策学部の吉野英岐教授(地域社会学専門)が記念講演。人口減や担い手不足、生活様式の変化、価値観の多様化などで地域活動の継続が難しくなっており、「活動の意義を見つめ直す時期。地域の強みの再点検・見える化、若い世代を取り込む行事、情報発信、外部人材の活用を考えてみるのも手。共助・互助をキーワードに誰もが住みたいと思う地域づくりを進めてほしい」と期待を込めた。
  
 町内会活動の継続に向け、田畑会長は「先輩たちが維持、発展させてきたことにあらためて感謝する。地域の協力を得ながら、時代に合った形を考えていきたい」と先を見据えた。
 
 

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