笑顔と刻む 新たな歴史 釜石・小佐野保育園 ピカピカ園舎に子どもらの歌声響く
真新しい園舎に大喜びの小佐野保育園の園児ら。元気な歓声が響いた
釜石市小佐野町の小佐野保育園(小笠原真理子園長、園児60人)が新築され、22日に落成式が行われた。園児や保護者、地域住民、園関係者ら約100人が参加。ピカピカの学び舎(や)に完成を喜ぶ子どもたちの元気な歌声が響いた。1967年に建てられて以来、大規模な建て替えは56年ぶり。今年2月上旬に建築工事は完了しており、同月中旬から既に新園舎で保育を始めている。
同園の歴史は戦前までさかのぼる。1938年に私設の保育所として開設された後、移転や保育園への移行、運営主体の変更などを繰り返した。45年、米英軍による艦砲射撃の影響で事業を一時中止したことも。66年に私立から社会福祉法人運営の小佐野保育園となった。67年に現在の場所に園舎を整備。81年設立の社会福祉法人釜石愛育会が運営を引き継ぎ、増改築を重ねてきた。
旧施設は老朽化が進行。加えて、2011年の東日本大震災の地震は乗り切ったが、今後の災害に耐え得るか不安もあったことから、建て替えを決めた。昨年7月下旬から新園舎の建築工事に着手。今年2月10日にしゅん工、引き渡しを受けた。工期中は野田町の野田集会所を仮園舎として利用した。
完成した小佐野保育園の新園舎
新園舎は木造一部2階建てで、延べ床面積648平方メートル。1階には保育室(6室)やホール、事務室、医務室、調理室などを設け、2階には会議・応接室を配置した。園児の安心安全への配慮、職員の快適な執務環境の構築を目指して設計され、自然採光を取り入れられるよう保育室などの配置を工夫。季節の移ろいを体感してもらおうと、ひさしを設けた半屋内の活動空間をつくり、園庭の遊具なども再整備した。
式で、釜石愛育会の小野寺哲理事長は「多くの力添えで、待望の施設が完成した」とあいさつ。建設業者ら協力者6人に感謝状を贈った。同会の山﨑ミキヨ理事も「どこからも光が入り、明るい色調が子どもたちを温かく優しく包み込み、ぬくもりある、ほっと安心できる施設に生まれ変わった。子どもたちは元気に伸び伸びと遊び、楽しいそうな声が園内に響き渡っている」と謝辞を述べた。
喜びを込めて元気いっぱいに歌う子どもたち
園児らを優しく見守る小野寺理事長(前列左)や保護者ら
年中・年長児と今春の卒園児ら約30人は手話を交えながら「にじ」を元気いっぱいに歌って、園生活の楽しさを表現。保護者が参加する縁で尾崎青友会が駆け付けて虎舞を披露し、お祝いムードに花を添えた。
出番を終えて満足げな佐野史佳ちゃん(5)に新しい園舎の印象を聞くと、「きれい。うれしい」と答えが返ってきた。普段は友達とままごとを楽しんでいて、これからやってみたいことは「なわとび」とのこと。帰りがけには園庭にある遊具に駆け出し、友達と遊びながら歓声を響かせた。
木のぬくもりを感じる明るい保育室
園庭に整備された遊具は子どもたちのお気に入り
園児の頑張りに目を潤ませた小笠原園長。新園舎で始まる歴史を、子どもたちの笑い声とともに刻んでいくことを思い描く。小野寺理事長も「園児ファースト。愛の精神を大切にした保育で、子どもたちの感性や自由性を育んでいく」と力を込めた。
釜石新聞NewS
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