自転車の安全利用、鍵かけ「地域の模範に」 警察などが釜石中をモデル校に指定


2023/04/18
釜石新聞NewS #防災・安全

釜石中で行われた自転車安全利用、自転車鍵かけ推進のモデル校指定書交付式

釜石中で行われた自転車安全利用、自転車鍵かけ推進のモデル校指定書交付式

 
 釜石中(齊藤雅彦校長、生徒289人)は本年度、釜石地区における「自転車安全利用」と「自転車鍵かけ推進」のモデル校に指定された。10日、同校で釜石警察署(田中洋二署長)による指定書交付式が行われ、全校生徒が交通安全や防犯への意識を高めた。自転車通学を開始した新1年生向けの安全走行の講習も行われた。
 
 釜石署の田中署長が生徒会長の前川航紳さん(3年)、生活委員長の村田怜奈さん(同)に両指定書を伝達した。田中署長は「基本的な交通ルールやマナーを身に付け、地域の方々や他校生徒の模範になってほしい。自転車だけでなく自宅の鍵かけも家族に呼びかけ、防犯意識を高めてもらえれば」と期待。前川さんは「生徒会の活動にも生かし、地域の皆さんの迷惑にならない登下校を実現していきたい」と決意を述べた。
 
指定書を受け取った前川航紳生徒会長(右)と村田怜奈生活委員長(左)

指定書を受け取った前川航紳生徒会長(右)と村田怜奈生活委員長(左)

 
 式後、同署交通課の後藤和貴交通企画係長が安全な自転車利用について講話。「急いでいる時が一番危ない。周りが見えづらくなり、注意力がおろそかになってしまう」と実際にあった事故事例を紹介。道路交通法の改正で4月から全年齢で努力義務となったヘルメット着用についても、映像教材を用いてその必要性を教えた。実験では、非着用で大けがをする確率は99%。頭を打つと後遺症が残りやすく、命に直結するケースも多い。後藤係長は「自分の身は自分で守り、ぶつかって相手にけがをさせることのないよう交通ルールを順守することが大事」と伝えた。
 
安全な自転車利用について釜石署の後藤和貴交通企画係長が講話

安全な自転車利用について釜石署の後藤和貴交通企画係長が講話

 
通学路の自転車走行の注意点を解説。全校での交通安全教室は3年ぶり

通学路の自転車走行の注意点を解説。全校での交通安全教室は3年ぶり

 
 学校の担当教諭からは登下校時の注意点が説明された。▽決められた通学路を一列で左側走行▽横断歩道や歩行者とすれ違う際は自転車を降りて通行▽スピードを出しすぎない―など。自転車の歩道走行が可能な場所でも、あくまで歩行者優先であることが示された。昨年度、同校で一番多かった違反は並進走行だという。
 
 学区の広い同校では本年度、自転車通学の申請者が100人を超える見込み。この日は、自転車通学の新1年生約30人を対象とした講習も行われた。市交通指導隊(佐藤鉄太郎隊長)の隊員6人が講師を務め、ヘルメットの正しいかぶり方、乗車前の安全点検6項目(ブレーキ、タイヤ、ハンドル、車体、反射材、ベル)を指導。生徒らは学校周辺の道路を実際に走行し、横断歩道での左右確認、交差点での2段階右折などを体験した。
 
市交通指導隊員からヘルメットの正しい着用の仕方を学ぶ

市交通指導隊員からヘルメットの正しい着用の仕方を学ぶ

 
自転車通学の新1年生を対象に行われた実地走行の講習=中妻町

自転車通学の新1年生を対象に行われた実地走行の講習=中妻町

 
 向定内から通う女子生徒は「ヘルメット着用の大切さを知り、乗車前点検も勉強になった。学校までは片道約20分。通学では安全に気を付けて事故に遭わないようにしたい」と気を引き締めた。
 
 釜石署によると、昨年管内で発生した自転車利用者の交通事故は4件(前年同)。中学生ではないが、子どもの被害もあった。3件が自動車との出合い頭の衝突事故だという。自転車盗難の被害は7件発生(前年4件)。5件が無施錠での被害だった。
 
 釜石地区の「自転車安全利用モデル校」には本年度、釜石商工高も指定され、20日に同校で指定書交付式が行われる予定。両校の指定は2年連続。

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