地元就職促進へ企業説明会、釜石職安 高校2年生対象 仕事・未来の選択に向け情報収集


2023/02/06
釜石新聞NewS #産業・経済

高校2年生を対象に開かれた企業説明会

高校2年生を対象に開かれた企業説明会

 
 高校2年生を対象にした企業説明会「しごと☆みらいスケッチ」(釜石公共職業安定所、釜石地域雇用開発協会主催)が1月24日、釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。釜石職安管内の釜石(定時制を含む)、釜石商工、大槌、遠野緑峰の各高校から就職を希望する生徒約90人が参加。地元企業やさまざまな職種への理解を深め、就職に関する情報を収集する機会にした。
  
 食品製造、機械製造、建築・土木、医療・福祉など10事業所がブースを構え、商品や職場の写真などの展示、映像も活用しながら生徒らにアピール。会社概要や事業内容、福利厚生の説明をはじめ、若手社員が働く様子を分かりやすく伝えるなど工夫を凝らし魅力を発信した。
  
地元企業の担当者から事業内容について説明を聞く生徒ら

地元企業の担当者から事業内容について説明を聞く生徒ら

  
 津田商店(水産加工品製造販売業)総務経理課主任の藤枝大樹さん(27)は「社員の平均年齢は46歳。若い人を積極的に採用していて、元気のある皆さんに活躍してほしい」と紹介。入社2年目の神田耀人さん(24)は原料となる魚の買い付けを担当していて、「とても難しい仕事だが、先輩が丁寧に教えてくれる。やりがいを感じ、成長を実感できる。魚に詳しくなくても働きながら覚えればよく、心配は無用」と伝えた。
 
 青紀土木(土木工事業)は、インターン学生2人が高校生向けに作った会社紹介冊子を配布。ブース担当者は「高校生に近い存在の大学生、建設業を知らない女子学生の目線で、会社の良さや建設業の役割などが分かりやすくまとめてもらった。理解が深まり興味を持ってもらうことで就職につながれば」と期待していた。
  
身近に感じてもらおうと工夫を凝らした冊子でPRする会社も

身近に感じてもらおうと工夫を凝らした冊子でPRする会社も

  
 生徒らは4つのブースを回って説明に聞き入り、熱心にメモを取る姿も見られた。介護士を目指す男子生徒は「今のうちに準備しておくといいことは?」などと積極的に質問。仕事で大変だと思う場面やプライベートの過ごし方などを聞いて、働くイメージを湧かせていた。
 
 釜石商工高電気電子科の菊池太地さんは、学びを生かせる県外企業への就職を視野に入れる。地元で働く人たちの話を聞いて発見したことがいくつかあったようで、「関係がないように感じていた職種でも、身に着けたことを生かせる仕事があるのが分かった。地元もいいかも。少し揺らいでいる」と、将来への選択肢を増やした。
  
若手社員らの企業PRに耳を傾けて働くイメージを広げる高校生

若手社員らの企業PRに耳を傾けて働くイメージを広げる高校生

  
 釜石職安によると、ここ数年、地元企業への就職率は伸びているが、少子化により生徒数は減っており、企業が望む採用数を満たすのは難しい状況。そうした中で、一人でも多く地元で働いてもらおうと、同説明会を続けている。菊池勝雄所長は「地元企業と触れ合うことで高校生に地域で作られているもの、提供されるサービスを知ってもらえたら。若い時からの地道な種まきを大事にしていきたい」と話した。
 
 

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