犯罪被害、事故防止へ気持ち新た 釜石市で防犯隊、交通指導隊が年頭の合同初点検


2023/01/13
釜石新聞NewS #防災・安全

釜石市防犯協会防犯隊、市交通指導隊合同初点検

釜石市防犯協会防犯隊、市交通指導隊合同初点検

 
 釜石市防犯協会防犯隊(三浦栄太郎隊長、43人)と同市交通指導隊(佐藤鉄太郎隊長、27人)は6日、2023年のスタートにあたり、市民ホールTETTOで合同初点検を行った。各種犯罪被害、交通事故から地域住民を守るため活動する両隊員36人が装備品の点検を受け、今年1年間の活動に意欲を高めた。
 
 両隊の年頭初点検の合同実施は昨年に続き2回目。野田武則市長は「市民一人一人が自らの安全は自ら守るという意識を高め、地域ぐるみで安全安心なまちづくりを推進していく必要がある」とした上で、両隊員に対し「任務を再確認し、犯罪、交通事故防止活動に尽力してほしい」と訓示した。
 
年頭にあたり野田武則市長の訓示を受ける防犯隊員(左側)と交通指導隊員(右側)

年頭にあたり野田武則市長の訓示を受ける防犯隊員(左側)と交通指導隊員(右側)

 
 釜石警察署によると、管内の昨年の刑法犯認知件数は73件(前年比2件増)。窃盗犯が54件と最も多く、特に高齢者による万引が目立つという。手口が複雑、巧妙化する特殊詐欺で金銭をだまし取られる事案も発生している。交通死亡事故は3件(釜石市2件、大槌町1件)発生し、3人が犠牲になった。人身事故は37件(前年比2件増)。初点検に出席した前川剛署長は「特殊詐欺の予兆電話は後を絶たず、子どもや女性への声掛けなども断続的に発生。一昨年はなかった交通死亡事故も発生しており、予断を許さない状況」と話し、犯罪抑止、事故防止へ一層の協力を願った。
 
 野田市長らが整列した両隊員の服装、手帳を見て回り、隊員が警笛を一斉に吹き鳴らした。点検後、防犯隊はイオンタウン釜石で鍵かけなどを呼び掛ける防犯チラシの配布、交通指導隊は大町の交差点で事故防止の呼び掛けを行った。県内では昨年12月30日から本年1月5日までの7日間に4件の交通死亡事故が発生し、65歳以上の高齢者4人が犠牲となった。県警は5日から9日まで「交通死亡事故多発警報」を発令。釜石署管内でも取り締まりや街頭啓発活動を強化した。
 
号令とともに胸ポケットから手帳を取り出す隊員

号令とともに胸ポケットから手帳を取り出す隊員

 
野田市長らが隊員の服装や手帳を点検した

野田市長らが隊員の服装や手帳を点検した

 
一斉に警笛を吹き鳴らす両隊員

一斉に警笛を吹き鳴らす両隊員

 
 交通指導隊は街頭や交通安全教室での指導、各種行事での交通の安全確保などを担う。佐藤隊長(81)は日ごろの街頭指導で、子どもたちの交通マナーが向上していると実感。一方で、人口の4割を占める高齢者の事故防止が課題とし、「日没後の外出は明るい色の服装や夜光反射材の着用などで身を守る対策をしてほしい。三陸道や釜石道の開通で市内の車の往来も増えている。家庭から事故防止意識を高めることが重要」と話す。
 
交通指導隊による事故防止を呼び掛ける啓発活動

交通指導隊による事故防止を呼び掛ける啓発活動

 
 防犯隊は防犯パトロール、青少年の非行防止、高齢者の安全対策などを任務とする。三浦隊長(72)は「今年もパトロールを数多くやって、防犯の啓蒙(もう)をしていく。小さい犯罪の芽を摘むことが大きな犯罪の抑止にもつながる。地域の状況をしっかり把握しながら、住民の安全確保に努めていきたい」と意を強くする。
 
 同市では人口減、少子高齢化に伴い、地域安全活動の担い手不足が生じており、特に中心市街地の隊員確保が課題となっている。

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