多彩な音色、楽器の掛け合いで聴衆魅了 釜石市民吹奏楽団 第56回定演
息の合った演奏を披露する釜石市民吹奏楽団
釜石市民吹奏楽団(山内真紀人団長、約50人)の第56回定期演奏会は11月27日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。「ウィズ コロナ」を掲げて時勢に応じた演奏活動を模索する中、今夏の東北吹奏楽コンクールに県代表として36年ぶりに出場し、「困難に負けず進んでいこう」との思いを乗せて今できる精いっぱいの熱奏を届けた団員ら。自信に満ちた迫力あるステージを繰り広げ、聴衆560人余りを魅了した。
1部のステージでは吹奏楽コンクール課題曲などを披露した
2部構成で、全9曲を演奏。1部では、本年度の全日本コンクール課題曲の一つ「ジェネシス」(鈴木英史作曲)、自由曲として東北大会でも演奏した「Comet(コメット)」(堀田庸元作曲)などを披露した。新型コロナウイルス禍で集まって音を奏でることの難しさを感じながらも、「いいものを作りたい」と挑み続けてきた同団。気持ちを一つにした息の合ったハーモニーを響かせた。
画像や照明を使って目も耳も楽しませた2部のステージ
楽器ごとに衣装をそろえたり、ソロや掛け合い演奏も
2部は映画音楽、演歌、ジャズなど多彩なジャンルの楽曲を吹奏楽バージョンで聴かせた。ミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌7曲メドレーは低音が響くドラマティックなオープニングに始まり、「夢やぶれて」「民衆の歌」など、さまざまな曲調、楽器の掛け合いで壮大な世界観を展開させた。ステージのバックスクリーンには曲に合わせたイメージ画が映し出され、雰囲気のある照明とともに聴衆を劇中にいざなった。
観客は声を出しての感動表現を控え、代わりに「ブラボー!」カードを掲げたり、盛んな拍手を送ってアンコールを求めた。2曲を追加演奏した団員らは「サンキュー!」カードで気持ちを返礼。舞台上と客席が音楽を分かち合う喜びにあふれた。
感染対策として観客に配られた「ブラボー!」カード
観客の拍手に応え、感謝の気持ちを掲げる団員たち
毎回足を運んでいる甲子町の佐々美枝子さん(69)は「自信に満ちていて圧倒された。映像と一緒に音が体に入ってくるようで、すごく楽しかった」と感激。定内町の横田みゑ子さん(70)は「コロナで外に出るのを迷ったが、来て良かった」と目を細めた。
東北大会での入賞を紹介するコーナーもお目見えした
同団は、第65回東北吹奏楽コンクール(9月4日、福島県いわき市)の職場・一般の部に県代表として出場し、銅賞に入った。会場ではその記録を紹介。山内団長は「聴いてくださる方のために―との思いを心に留め、精進していきたい」と力を込めた。
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