楽しく撮影、楽しく展示―フォトライフ写真展 “日常”を独自の視点で捉えた60点
四季折々の自然などを独自の視点で切り取った作品が並ぶ=20日・TETTO
「楽しく撮影、楽しく展示」を合言葉に、写真が好きな人なら誰でも自由に出品できる「フォトライフ写真展」(同実行委員会主催)が23日まで、釜石市大町の市民ホールTETTOギャラリーで開かれている。新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの開催。同実行委の多田國雄代表(79)は「家族や風景、旅行の記録など、さまざまな作品が並ぶ。社会活動が動き始めたように、やる気になった撮影者たちの視点から日常を感じ、楽しんでほしい」と来場を呼びかける。
作品は6ツ切サイズに統一しているが、展示は気軽な自由参加が基本。市内外の写真愛好者ら15人がこれまでカメラに収めた中からお気に入りの作品2~8点、計56点を出品した。海や山など四季折々の風景、「SL銀河」の雄姿、郷土芸能、旅の思い出、身近にある動植物、家族のスナップ写真…。撮影者が出合い、心動かされた「日常」が並ぶ。
何気ない日常の風景を写す作品にじっくり見入る来場者=20日・TETTO
日常に親しみを―。この写真展は独自に撮影を楽しんでいる写真愛好者らが年に一回、見てもらいたい写真を持ち寄り、展示を通じ交流を深める場となっている。地元の写真家、故浅野幸悦さんが中心になって1997年からスタート。浅野さんの亡き後、遺志を継いだ多田代表らが回を重ねてきた。コロナ禍で2020、21年は自粛。24回目となる今回は会場を変えて気分一新。「ため込んだエネルギーを注ぎ込んだ一枚」を並べる。
撮影者のお気に入りの一枚を使った写真展の案内状
展示会を前に15日、出品者が小川町の市働く婦人の家に集まり、作品のタイトルづくりなどを行った。写真歴が50年を超える小佐野町の市村利幸さん(68)は「光が作り出す景色」を好んで撮影しているといい、今回は釜石大観音と朝日をテーマにした作品など6点を出品。「いい写真はなかなか撮れない。だから続く。満足したら終わり。下手だから、いいんじゃないか」と謙虚さをのぞかせる。
展示会に向けた準備に取り組む写真愛好者ら=15日・市働く婦人の家
長く続くコツは「批評しないこと」と出品者ら。「好き勝手楽しんでいる人たちが見てもらいたいものを展示。テーマを決めているわけではなく、あれこれ考えず活動できる。束縛がない」と、展示会を通して顔を合わせる機会を楽しんでいる。
日常に親しみ、撮影を楽しんでいる出品者たち=15日・市働く婦人の家
展示会場でもカメラを手に「日常」を写す多田代表(左)=20日・TETTO
展示する作品は芸術的、商業用写真もあるが、趣味として撮影したもの、家族の記念写真などもある。写真展を開催することで、展示に参加する人が増えることを期待。多田代表は「日常で出合った光景を写すだけ。型にはまらず自由に楽しんでいる様子、年々変化する撮影者の視点から、それぞれの日常を感じてもらえたら」と話す。
写真展は入場無料。開催時間は午前9時~午後6時まで(最終日は午後4時)。
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