お帰り!釜石の夏 港彩る大輪の花に歓声 3年ぶりの納涼花火に市民ら笑顔
釜石港を彩る「釜石納涼花火2022」=11日
新型コロナウイルス感染症の影響で2年間中止が続いていた釜石市の納涼花火大会(市、釜石観光物産協会主催)が今年復活。11日夜、釜石港で開かれた。東日本大震災犠牲者の鎮魂、新型コロナの早期終息などを願い、午後7時から約1時間にわたり約3千発を打ち上げ。港周辺に設けた4つの観覧場所合わせて約1万人が夏の風物詩を楽しんだ。
例年、盆入り前に行われる同市の納涼花火。3年ぶりの開催となる今年は、観客の期待も大きく、開始1時間前から各観覧場所に家族連れや若者グループなどが続々と集まった。魚河岸の市魚市場エリアと港町の陸中海岸グランドホテル付近には出店も並び、久しぶりの夏風景が広がった。
午後7時。協賛企業や団体の紹介後、秋田県大仙市「大曲の花火協同組合」の4社17人による花火の打ち上げが始まった。港町の桟橋から3~5号玉、創作花火、スターマインなどの各種花火が打ち上げられたほか、小型船が移動しながら仕掛ける水中花火が次々と繰り出された。多彩な色や形、複数の花火を組み合わせた演出に観客は魅了され、目に焼き付けるとともにスマートフォンのカメラに美しい光景を収めた。
花火の光で桟橋のクレーンが浮かび上がる光景は釜石ならでは!
月明かりとコラボする水中花火。海面に映る光とも華やかに競演
多くの人がスマホカメラを片手に観覧。美しい光景を記憶と記録に残す
家族3人で訪れた花巻市の髙橋理央さん(24)は初めて釜石の花火を観賞。岸壁から間近で見る水中花火に感動し、「すごい迫力。他の地域にはない特別感」と声を弾ませた。ここ2年、コロナ禍で各地の花火大会が中止されてきたが、「感染防止対策もしっかりしつつ、地域の活性化につながるイベントを開催していけるようになれば」と願った。
同級生4人で申し合わせ、浴衣姿で訪れた植田杏奈さん(釜石中3年)は「3年前に見た時より豊富な色合いで、迫力も全然違った。すごくきれい」と感激。中学最後の夏休みは、来春の高校受験に向けた勉強で大忙し。「久しぶりにみんなで集まれて良かった。いい思い出もできて、これからの受験勉強も頑張れそう」と力を蓄えた様子。地域のにぎわい復活も喜んだ。
市魚市場エリアの観覧会場で花火を楽しむ観客
岸壁から見る水中花火は音とともに迫力満点!右奥にはライトアップされた釜石大観音も
嬉石方面より撮影/撮影:西条佳泰(株式会社Grafica)
釜石観光物産協会によると、今年の人出はコロナ前とほぼ同等。各会場では手指の消毒のほか、出店の配置を工夫するなど観客が密にならないような対策を講じた。「久しぶりの花火大会を皆さん楽しみにしていたようで、人出は予想以上。事故もなく無事に終えられたことが何より」と同協会。
嬉石方面より撮影/撮影:西条佳泰(株式会社Grafica)
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