東北つなぐ「絆ウオーク」 復興支援に感謝込め、釜石から元気発信


2022/06/24
釜石新聞NewS #地域

釜石で展開された「絆ウオーク」。参加者はゴール地点を目指して歩を進めた

釜石で展開された「絆ウオーク」。参加者はゴール地点を目指して歩を進めた

  
 東日本大震災被災地の復興と発展支援を目的に東北4県を歩いて巡る「絆ウオーク」が15日、釜石市に到着した。釜石市ウオーキング協会(桝井昇会長)の会員らが大船渡市側から引き継いだシンボルフラッグを掲げ、市内を3日間の日程で実踏。復興支援に感謝を込め元気に歩き、心の復興を願う絆のリレーを担った。25日には同協会員らが県内陸部の愛好者らを先導し、大槌町から山田町を歩行。三陸鉄道陸中山田駅で宮古地区を担当する実踏隊にフラッグを託す。
  
 絆ウオークは日本ウオーキング協会などでつくる東北復興支援運動体実行委員会が主催。「被災地の今を知り、知らせる」をテーマに掲げ、福島県相馬市から青森県八戸市までの約570キロを4県のウオーキング協会員らでつくる実踏隊がリレー方式で踏破する。相馬市を2021年3月に出発。本県での実施は昨年9月の予定だったが、新型コロナウイルス禍で延期していた。今回、5日に本県入り。陸前高田市、大船渡市と歩をつないできた。
  
釜石市の桝井会長(左)にシンボルフラッグを引き渡す大船渡市の佐々木会長(右)

釜石市の桝井会長(左)にシンボルフラッグを引き渡す大船渡市の佐々木会長(右)

  
 15日は、大船渡市歩こう会(佐々木一郎会長)の会員7人が三陸町の三陸鉄道吉浜駅を出発し、釜石・唐丹町の同唐丹駅に移動。釜石市協会、民話のまち遠野ウオーキング協会(荻野七朗会長)の会員ら34人が出迎えた。唐丹駅前の広場で引き継ぎ式。佐々木会長(79)は、歩行中に掲げ続けたシンボルフラッグを桝井会長(81)に手渡し、「脈々とつないできた復興の歩み、被災地の願い、絆を引き継いでほしい」と思いを伝えた。
  
思いをつないできた小旗の引き継ぎも行われた

思いをつないできた小旗の引き継ぎも行われた

  
「歩くぞー!」。出発前に気合を入れる参加者たち

「歩くぞー!」。出発前に気合を入れる参加者たち

  
 「一歩ずつ」「ガンバロウ!」「リフレッシュしながら楽しんで歩こう」などと、これまでの参加者が思いを書き込んだ小旗、横断幕の引き渡しも受け、釜石地区のリレーウオークがスタート。初日は3会の会員たちが、JR釜石駅までの13キロを歩いた。唐丹町では片岸地区の防潮堤、小白浜地区の復興住宅、漁港を通り、まちの変化、なりわいの再生を確認。復興に力を合わせた10余年の出来事や日常の大切さをかみしめつつ、元気に歩を進めた。
  
唐丹町に整備された防潮堤沿いを歩く釜石市協会員ら。余裕の笑顔が見える

唐丹町に整備された防潮堤沿いを歩く釜石市協会員ら。余裕の笑顔が見える

  
遠野協会の会員らもにこやかな表情でスタートを切った

遠野協会の会員らもにこやかな表情でスタートを切った

  
力強い足取りで漁港周辺を進む大船渡歩こう会メンバー

力強い足取りで漁港周辺を進む大船渡歩こう会メンバー

  
 釜石市協会の藤原巴さん(78)も元気ハツラツ。震災で自宅を失い、生活再建の場とした嬉石町が今回のウオークコースになった。「本当にいろんなことが変わった。それでも今も元気に歩けている。たくさんの仲間と楽しく歩くことができた」と目を細めた。今年から同協会に本格参加する山田町の千代川礼子さん(68)も震災で自宅が床下浸水した。「東北の人たちと思いや元気をつないでいくのがいい」と充実感をにじませた。
  
 震災時に遠野市は、津波被害を受けた三陸沿岸の後方支援拠点として大きな役割を果たした。遠野協会事務局長の臼井悦男さん(74)は、歩くことで隣接する両市の縁を再認識。「一区間だが、旗をつなぐ役割を担うことができた。穏やかな海沿いを歩き、気分も爽やか」と晴れやかな表情を見せた。
  
参加者は国道45号の上り坂にも負けずグングンと歩く

参加者は国道45号の上り坂にも負けずグングンと歩く

  
 釜石市協会は唐丹―陸中山田駅間の48キロを担当。桝井会長は「多くの温かい支援をいただいた。まちの復興と合わせ、そこで暮らす人たちの元気で前向きな姿を発信したい」と思いを込める。

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