災害時に段ボール製品を供給 釜石と王子コンテナー青森工場が協定
協定書を手にする野田市長(左)と福島工場長(左から2人目)ら。災害時に段ボールベッドなどの提供を受ける
釜石市は22日、段ボール製品製造・販売を手掛ける王子コンテナー青森工場(青森県三沢市、福島明工場長)と災害時の物資供給に関する協定を結んだ。住民の避難が必要な場合に、同工場が製造する段ボールベッドなどを提供。万一に備え、不足した際に供給できる体制を整える。
協定は、市の要請に基づき、同工場が速やかに製品を用意して避難所などに届け、市が費用負担する内容。物資の種類は段ボール製のベッドや紙製簡易トイレ、プライバシーを確保するためのパーテーションなど。また同社グループ企業から、ティッシュペーパーやトイレットペーパー、生理用品などの生活必需物資製品が優先的に提供される。
釜石市役所で締結式を行い、野田武則市長と福島工場長が協定書に署名し取り交わした。福島工場長は「軽くて強度のある段ボールの特性を生かした製品を提案し、地域の皆さんのお役に立ちたい」と強調。パーテーションは床に敷いて利用することもでき、段ボールベッドと合わせ、避難時に体育館など冷たい床で寝るのを避けることで低体温症の防止にもつながるなどと紹介した。
パーテーションなどに活用できる段ボールシート
野田市長は「被災した人、避難した人の安心につながる。いざという時は頼りにしたい」と感謝。日本海溝・千島海溝沿いで発生する2つの巨大地震の被害想定が公表されたばかりで、事前の災害対応に気を引き締め直した。
同工場は、同様の協定を三沢市や六戸町と結んでいる。釜石市は3例目で、岩手県内では初。市内に営業所があることから、社会貢献活動の一環として市に申し出た。
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