災害時の犠牲者対応で協力を 釜石市、県葬祭業組合と協定


2021/12/17
釜石新聞NewS #地域

協定書を手にする野田市長(左から3人目)と青柳理事長(同4人目)

協定書を手にする野田市長(左から3人目)と青柳理事長(同4人目)

 

 釜石市は7日、県葬祭業協同組合(青柳均理事長、37事業所)と災害時のひつぎや葬祭用品の供給、遺体搬送などの協力に関する協定を結んだ。同組合は県内自治体と同様の協定締結を進めており、釜石は県と6市村に続き8番目。多数の死者が出るような大規模災害でも遺体の収容が適切に行われるよう態勢を整える。

 

 協定によると、大規模災害発生時に市の要請を受け、同組合は▽ひつぎや遺体の安置に必要な納体袋(のうたいぶくろ)、骨つぼなど葬祭用品の供給▽遺体安置施設などの提供▽遺体の収容や搬送の業務―について可能な範囲で協力する。円滑な協力が行えるよう、広域の応援体制や情報収集伝達体制の整備にも努める。

 

協定書に署名する野田市長、青柳理事長

協定書に署名する野田市長、青柳理事長

 

 締結式は釜石市役所で行われ、野田武則市長と青柳理事長が協定書に署名し取り交わした。野田市長は東日本大震災で遺体の搬送や安置、埋葬などの対応に苦慮したことを振り返り、「惨事は二度と繰り返したくないが、震災の教訓として、いざという時に備えて事前に対応することが必要。亡くなられた方への追悼、遺族の思いに応えられるような体制を確保したい」と意義を強調した。

 

 同組合が社会貢献活動の一環として市に協定締結を申し出た。青柳理事長は「地元に寄り添った支援を行うことができると考えた。スムーズな連携体制を整え、死者の尊厳を損なうことなく誠心誠意対応していきたい」と話した。

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