魅力発見の視点養う 釜石商工高で地域理解につなげる講座


2021/12/17
釜石新聞NewS #文化・教育

地域の魅力や働く意義について考える釜石商工高1年生

地域の魅力や働く意義について考える釜石商工高1年生

 

 地域を見つめる視点を養う「地域魅力発見講座」が9日、釜石市大平町の釜石商工高(菊池勝彦校長、生徒234人)で行われた。県の「高校の魅力化促進事業」の一環。釜石商工生として地域のためにできることを考える視点を持ってもらうのが狙いで、1年生52人が参加した。講師は、起業型地域おこし協力隊(釜石ローカルベンチャー)の水島嘉人(ひさと)さん。市外から移住した経験から見える釜石の魅力、社会人としての職業観などを伝えた。

 

 神奈川県鎌倉市出身の水島さんは東日本大震災の復興支援ボランティア活動を通じて釜石と縁をつなぎ、2020年6月に同隊員に着任。中小企業診断士の資格を生かし、企業の経営をサポートする活動に携わっている。その中で見えた釜石の魅力の一つが、地域愛あふれる経営者の存在。熱い思いを持つ人たちと一緒に地域課題に向き合い、その思いを形にすることができるまち―と強調した。

 

生徒はメモを取りながら水島さんの話に耳を傾けた

生徒はメモを取りながら水島さんの話に耳を傾けた

 

 東京の印刷会社でやりがいを持って働いた経験などを紹介し、「働くことの意味を考え、話し合ってみよう」と促す場面も。収入を得ることや社会貢献、自己実現という意義があるとした上で、▽出会いとつながり▽直感に従う▽まずやってみる▽相手の思いに寄り添う▽誰とでも対等な関係でいる―など社会に出た時に役立つ大切な視点を伝えた。

 

 電気電子科の小野颯大(ふうた)君は「より良いまちにしたいという大人の思いが分かった。釜石について知らないこともあり、歴史を知りたくなった。違う視点から、良いところを見つけ出してみたい」と意識を高めた。

 

 同事業で、2年生は「地域産業理解講座・ワークショップ」に参加。地域産業の課題と解決策を考え話し合う「共有」の機会とした。3年生は課題研究の取り組みの中で、地元企業と共同しリンゴのジェラートやサンマのアヒージョ缶詰を開発。文化祭などで限定販売し、地場産品の魅力を発信した。同校では来年度も、こうした活動を継続する考えだ。

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