震災の記憶継ぐCD、来年3月発売へ 釜石高吹奏楽部も参加「復興の力に」


2021/11/12
釜石新聞NewS #文化・教育

リハーサルでCD収録曲を練習する釜石高吹奏楽部の生徒ら

リハーサルでCD収録曲を練習する釜石高吹奏楽部の生徒ら

 

 毎年3月11日に発売されている東日本大震災の復興支援CD「絆~忘れない」。NPO法人日本アクティブ・フード協会(東京都中央区、神原進理事長)が、2016年から展開する被災地支援プロジェクトの一環で制作している。来年発売の7枚目のCDに、釜石高吹奏楽部(川崎真菜部長、部員26人)が参加することになり、3日、釜石市大町の市民ホールで収録に臨んだ。

 

 同部が担当するのは、被災地復興を願ってつくられた「がんばれニッポン」と、元気を届けようと生徒たちが選んだ「マーチ・シャイニング・ロード」の2曲。リハーサルではホール内での音の響きや強弱、音出しのタイミングなどを丁寧に確認した。緊張気味の仲間たちをリラックスさせようと、指揮を担当する生徒が馬のかぶりもので登場。肩と気持ちをほぐした生徒たちは心を一つに軽快な音色を響かせた。

 

生徒たちは聴く人に元気を届けようと録音に臨んだ

生徒たちは聴く人に元気を届けようと録音に臨んだ

 

 指揮のほか、チューバも担当した佐藤碧さん(1年)は「高校生らしい華やかさと元気で、聴く人を勇気づけられたら」と思いを込め演奏。トランペットを担当する川崎部長(2年)は「震災復興に携わる、大きな経験ができる機会。微力だが、精いっぱいの演奏で復興の力を盛り上げたい」と感情を音に乗せた。

 

 このCDには被災地復興の願いを込めつくられた「花の冠」「群青」「わせねでや」「未来の光へ」などが収録され、曲を通して震災の記憶を語り継いでいこうと制作が続けられている。収益金は被災地の子どもたちの支援に活用。神原理事長は「震災から10年たつが、今なお苦しい思いを抱えている人がいる。被災地の子どもたちの歌声、演奏を届けることで、忘れないという思いをつないでいく」と強調する。

 

 釜石高吹奏楽部が参加するCDは来年3月11日に全国販売される。今回は歌手のさとう宗幸さんらアーティストのほか、宮城、福島両県の子どもらも参加。ジョン・レノンの「イマジン」も収録される予定だという。

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