海図の歴史から海を学ぶ 海保が150周年企画展 第1号「釜石港之図」展示 


2021/10/19
釜石新聞NewS #地域 #文化・教育

日本で初めて作られた近代海図「陸中国釜石港之図」を説明する第2管区海上保安本部の西村監理課長

日本で初めて作られた近代海図「陸中国釜石港之図」を説明する第2管区海上保安本部の西村監理課長

 

 日本単独での海図製作などの水路業務が本格的に始まってから150年を迎えたことを記念し、釜石市鈴子町のシープラザ釜石2階イベントフロアでその歴史を紹介するパネル展が開かれている。東北地方を管轄する海上保安庁第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)が企画し、日本初の近代海図など計21点が並ぶ。10月26日まで。

 

 海図は、船が安全に航行できるよう、海岸の地形や水深、灯台などの目標物を分かりやすく示した地図。国内では1871(明治4)年、兵部省海軍部内に水路局を設け、勝海舟らとともに海軍伝習所でオランダ式の航海術・測量術を学んだ津の藩士、柳楢悦(やなぎ・ならよし)を起用して近代的水路業務を開始した。

 

 作成された海図の第1号は、72(同5)年に刊行された「陸中國釜石港之圖(りくちゅうのくにかまいしこうのず)」。当時の釜石は、東京―函館間航路の重要な補給地点だったことに加え、官営製鉄所が完成する直前だったこともあり、入港船舶の安全と利便性を確保するために作成された。

 

 海図の更新は現在も同庁海洋情報部によって行われており、パネル展では明治初期からの150年の歩み、軍事機密として厳重に管理され一般国民の目に触れることがなかった貴重な海図などの資料、音響や航空レーザーなど最新の調査技術を活用した海洋調査などを紹介。特殊メガネでのぞき込むと海底の起伏などが分かる「日本周辺3D海底地形図」、映像放映(15分)もある。

 

特殊メガネで「日本周辺3D海底地形図」をのぞき込む来場

特殊メガネで「日本周辺3D海底地形図」をのぞき込む来場

 

 同本部海洋情報部の西村一星監理課長は「日本人の手だけで作られた海図は釜石が発祥。海図を通し150年前に始まった歴史、進化を感じてほしい」と期待する。

釜石新聞NewS

釜石新聞NewS

復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。

取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム


釜石のイベント情報

もっと見る

釜石のイチ押し商品

商品一覧へ

釜石の注目トピックス