豊かな森林、次世代へ~いわての森林の感謝祭 鵜住居スタジアムで植樹作業
感謝祭はコロナ禍を踏まえ規模を縮小し、参加者を限定して
「いわての森林(もり)の感謝祭」が2日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。参加者はすがすがしい秋空の下、豊かな森林が次の世代にも継承されるよう、願いを込めて苗木を植樹した。
同感謝祭は県や各市町村、県緑化推進委員会が主催。県民参加の植樹や育樹活動を通じ、森林の恵みに感謝する行事として2007年度に始まり、各市町村を巡って開いている。今回で13回目。本来は昨年秋に行われるはずだったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期し、1年遅れの開催となった。例年、県内外から約400人が集う催しとなっているが、今回は感染症対策のため規模を縮小。参加は市内関係者のみに限定し、30人ほどで植樹作業を進めた。
セレモニーでは釜石地方森林組合の若手職員が森林保全活動への思いを発信した
簡素化したセレモニーで、市の木「タブノキ」3本を植樹。野田武則市長は「森の恩恵に感謝し、緑豊かな自然を守っていく。苗木の成長とともに緑あふれる施設として親しまれてほしい」と願いを込め、木の根元に土をかぶせた。
釜石鵜住居復興スタジアムで行われた感謝祭でタブノキを植える野田市長(右)ら
今春、釜石地方森林組合に就職した長洞奈央さん(18)、堀合樹音さん(18)、二本松蓮さん(18)が地元からのメッセージとして思いを発信した。小学2年生の時に東日本大震災を経験した3人はまちの復興を感じながら、地域防災や海・川・森の環境保全につながる仕事にやりがいを実感。「先人が築き上げた豊かな自然環境をより良いものとし、次の世代へと確実につなげる」と誓った。
森林整備功労者として橋野町振興協議会(和田松男会長)に知事感謝状が贈られた。同協議会は世界遺産「橋野鉄鉱山」周辺にミズナラを植栽するなど森林保全活動を続け、橋野森林愛護少年団の育成や植樹活動を支援。国や市が取り組む育樹活動、森林再生にも協力している。
知事感謝状を受けた橋野町振興協議会の和田会長(右)と沿岸広域振興局の森達也局長
同スタジアム敷地内には地元関係者が事前にモミジやツツジなど11種約270本を植えた。セレモニーの後、設置した支柱に苗木を結び付けて固定する作業も行った。
釜石新聞NewS
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