仕事を知って将来を考える~大平中でキャリア教育 地域の社会人が講師


2021/10/06
釜石新聞NewS #文化・教育

地元企業で働く社員の姿に接し、将来を考える機会にした大平中生

地元企業で働く社員の姿に接し、将来を考える機会にした大平中生

 

 釜石市大平町の大平中(蛸島茂雄校長、生徒106人)で9月28日、「キャリア教育」をテーマに地元企業から講師を招く出前授業が行われた。1、2年生約70人が参加。地域で働く人たちの多様な生き方や価値観に触れ、自分の将来を考える参考にした。

 

 同校では例年、1年生が職場見学、2年生は職場体験学習を行っている。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で職場体験が中止となり、コロナ下の今年は見学の受け入れも困難な状況だったため、地元で働く人を講師として招いて話を聞く形式で実施された。講師は小売業、製造業、医療・福祉など市内4事業所の社員ら5人。生徒は希望する3事業所を選んで、会社概要や仕事内容、やりがいなど体験談に耳を傾けた。

 

地元で働く人が増えてほしいと期待を込め出前授業に臨む講師ら

地元で働く人が増えてほしいと期待を込め出前授業に臨む講師ら

 

 水産加工会社釜石ヒカリフーズの佐藤正一社長は、東日本大震災被災地の水産業の再起を図る奮闘の物語を「マイナスからの挑戦」と題して講話。銀行員から水産加工会社の社長に転身した経歴を紹介し、「子どものころの想像とは全く違うことをしているが、とても幸せ。将来のことは分からないかもしれないが、今の時間、仲間を大切にしてほしい。人とのつながりが思いもよらない展開を見せる」と経験を伝えた。

 

生徒はメモを取りながら講師の話に耳を傾けた

生徒はメモを取りながら講師の話に耳を傾けた

 

 イオンスーパーセンター釜石店の千葉麗沙総務課長は学生と社会人の違いを話し、「社会での課題解決、答えは1つだけではない。その時に何がベストかを考えることが大事」と強調。社会福祉法人楽水会が運営する特別養護老人ホーム「アミーガはまゆり」の久喜真施設長は施設内無線LANの設置やタブレット端末の導入などによる業務改善、働きやすい職場づくりを説明し、「ぜひ見学に。肌で感じることがある」と期待した。

 

 鋼製家具製造事業を手掛けるエヌエスオカムラから総務課の藤原由香里課長、八幡拓見係長が参加。求める人材は「向上心を持って自ら行動できる人」とし、目標を持つことの大切さを伝えた。「小さなことでいいので、達成感を得られることを見つけて。それが生きがい、やりがいにつながる」と学校生活でも役立つ心構えを助言。地元企業で働く自分たちの姿を紹介することで、将来、地元で働く人が増えてほしいという願いもあり、「若者、来たれ!」と呼び掛けた。

 

「いらっしゃいませ」などあいさつ訓練を体験する生徒ら

「いらっしゃいませ」などあいさつ訓練を体験する生徒ら

 

 将来の仕事について考え始めている髙橋優さん(2年)は「いろんな会社があり、頑張っていることや大事にしていることが違うことを知った。あいさつや人とのつながりは学校生活でも生かせるので大切にしていきたい」と学習。スポーツに関わる仕事がしたいと思い描く山﨑龍磨君(1年)は「前向きに取り組む姿勢が印象に残った。夢に向かって頑張りたい」と思いを強めた。

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